『呪術廻戦』「懐玉・玉折」総集編の公開も!互いに認め合っていたのに…仲違いが切ない『呪術廻戦』五条悟と夏油傑の「親友」時代の画像
アニメ『呪術廻戦 懐玉・玉折』©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

 芥見下々氏による『呪術廻戦』(集英社)は昨年完結した人気漫画のひとつ。第3期アニメ「死滅回游」が制作されることや、「懐玉・玉折」の総集編が2025年5月30日に劇場公開されることでも話題となっている。

 作品に登場するキャラの中でも特に人気があるのが五条悟だ。「僕 最強だから」と豪語するほどの実力者で、呪術師として活躍しながら虎杖悠仁たちの指導もおこなっている。そして、そんな五条の唯一の友人といっていいのが、最終的には呪術師と敵対する「呪詛師」となってしまった夏油傑だろう。「懐玉・玉折」では、そんなふたりの呪術高専時代の活躍が描かれる。

 良くも悪くもお互いを知り尽くしているふたり。そのため、道を違えた後も不思議と心が繋がりあっているように見える。

 そこで今回は、そんなふたりのアツい関係性について語っていきたい。

※本記事には『呪術廻戦』の核心部分の内容を含みます

■言いたいことを言い合える仲

 五条は、呪術界の名門である五条家の当主かつ呪術師の中でも突出した能力を持っているため、一般の呪術師たちにとって近寄りがたい存在である。そんな五条に臆せず接していた数少ない人間が夏油で、呪術高専では親友と呼べる関係を築いていた。

 五条は数いる呪術師の中でも自分はどこか違うと思っているふしがある。それは家柄や生まれ持った「六眼」といった能力によって、過度の期待を幼少期から背負わされてきたからだ。そのため、呪術高専時代の五条はトゲトゲしていて、「弱い奴等に気を遣うのは疲れるよホント」と吐き捨ててまでいた。

 そんな五条に夏油は真っ向から「“弱者生存” それがあるべき社会の姿さ」と自分の意見をぶつけ、イラついた五条と本気で喧嘩をしそうになる。五条に対してまったく気後れせず物申し、喧嘩も受けて立つという人間は後にも先にも夏油だけだろう。

 しかも「俺」と自分を呼んでいる五条に、一人称は「私」か「僕」にした方が良いとも話している。それは五条が周りから怖がられているから、心配してのアドバイスだろう。

 五条は最初この言葉を「嫌なこった」と鼻で笑っているが、現在では一人称を「僕」に変えている。時が流れるとともに、アドバイスの意味が分かってきたのかもしれない。そこからも夏油の言葉が五条に響き、生き方にまで影響を与えているであろうことは明らかだ。

■お互いの強さへの信頼

 五条と夏油は、天元と同化するための「星漿体」である女子中学生・天内理子を護衛し、天元のもとへ送り届けるという任務を言い渡される。

 そんな理子には多額の懸賞金が掛けられていたので、呪詛師が次々と襲いかかってきた。それに対してふたりは共闘ではなく、それぞれでバトルを展開している。

 こんな風にできるのもふたりがお互いの強さや能力を信用しているからだろう。五条が最強なのは誰もが知っているが、夏油の強さがどのくらいかは当初はっきりしていなかった。しかし、五条が「俺達最強だし」と当然のように言っている描写から、夏油が五条に認められた強さを持っているのがわかる。何せ、あの五条が「最強」の範疇に「俺」ではなく「俺達」と夏油を含めているのだから。

 また、夏油は五条の様子をよく観察しており、五条が任務中に術式を解かず寝ないで天内を護衛しているのを心配していた。対する五条はそんなの問題ないと片付け、さらに「オマエもいる」と夏油への絶大な信頼をあらわしてみせる。ここからも、ふたりが戦場でお互いに命を預けられる、唯一無二の関係性にあったことがうかがえる。

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