『機動戦士ガンダム』シャアが認める優秀な軍人…ドレンはホワイトベース隊に「なぜ敗れた」のかの画像
「1/1200 シャア専用ムサイ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 テレビアニメ『機動戦士ガンダム』は「一年戦争」と呼ばれる地球連邦とジオン公国の戦いを舞台に描かれた作品だ。戦争がテーマになっているだけに、バラエティに富んだ指揮官が登場する。

 そして、それぞれの指揮官ごとに特徴的な部下が配置されていたのも注目すべきポイント。「マ・クべ」の副官「ウラガン」、ギレン・ザビの暗殺現場に居合わせ「キシリア・ザビ」の片腕となった「トワニング」などは、劇中でも印象的な存在だろう。

 そのなかで、アニメの第1話から「シャア・アズナブル」の副官として登場した「ドレン」の存在を覚えている人も多いのではないだろうか。

 パイロットとして自ら前線に出て戦うタイプの指揮官であるシャアを支える場面も多く、シャアもドレンのことを信頼している節が見受けられた。

 そんな赤い彗星が認めるほど優秀な軍人だったドレンの活躍をあらためて振り返ってみたい。

※本記事には作品の内容を含みます。

■能力を示してシャアの副官に抜擢

 ガンダムの作品内における時間軸で、もっとも早いドレンの活躍が描かれたのは『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』だ。そこでは一年戦争の序盤における大きな戦い「ルウム戦役」が描かれている。

 ルウム宙域へ急行するシャアの乗った「パプア級補給艦」のクルーがドレンだった。シャアとドレンの出会いは偶然だと思われるが、ドレンは、艦長命令が出るよりも早く戦場に向かおうとするシャアに困惑しながらもこれまでの実績は認めており、どことなく好感をもっている様子がうかがえた。

 またコミック版のほうでは、この段階ですでにシャアのほうもドレンの能力を認める発言をしている。

 ルウム戦役において戦艦5隻撃沈という多大な戦果を上げたシャアは、直属の司令官である「ドズル・ザビ」から、ムサイ級の最新鋭艦「ファルメル」を受領。単独で連邦軍の新MS開発作戦「V作戦」を追うことを命じられる。

 ドズルが「クルーも粒よりのを揃えておいた」という人員の中にドレンが選ばれており、軍内部からもドレンは高く評価されていたことが分かる。そしてシャアはファルメルに乗艦するなり、兵卒上がりのドレンを艦長に大抜擢した(本人は艦長代理として受けとっていたが)。

 テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の前日譚ともいえる『THE ORIGIN』以降に培われたシャアとドレンの関係性が、そのまま本編での信頼につながっていることは容易に想像できる。

■ホワイトベース隊との戦い

 『ガンダム』の序盤からシャアやドレンの乗るファルメルは、連邦の新兵器「ガンダム」を擁する「ホワイトベース」との本格的な戦闘を開始する。

 第3話では、逆に攻勢に出たホワイトベース隊の陽動作戦にハマり、ファルメルは補給中にホワイトベースから奇襲攻撃を受けた。

 補給艦パプアをカバーするようシャアに命じられたドレンは、すぐさま反撃に出る。そしてホワイトベースからの攻撃を察知してシャアに伝えると、「私が行くまで、なんとか持ちこたえろ」と短く返した。こうした些細なやりとりからも、シャアがドレンの手腕を認めていることが伝わってくる。

 第4話では、ホワイトベースが「ルナツー」に寄港したことを知り、ドレンは「少佐、ルナツーをやりますか」とシャアの意図を察したかのような進言を行う。するとシャアは「ドレン、貴様もいうようになったな」と嬉しそうに返し、「手はあるよ、ドレン」と彼の進言を受け入れて攻撃に出た。

 その後、地球に降りたシャアが「ガルマ・ザビ」の戦死の責任を取らされて左遷させられたため、ドレンとシャアのコンビはここで一旦解消となる。

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