“鉄拳制裁”に“男泣き”も…ただの不良仲間じゃない!『SLAM DUNK』三井寿を救った「堀田徳男」という男の生きざまの画像
Blu‐ray『SLAM DUNK THE MOVIE』(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))(C)井上雄彦・アイティープランニング・東映アニメーション(C)東映/集英社/東映アニメーション

 井上雄彦氏のバスケ漫画『SLAM DUNK』に登場する「堀田徳男」を覚えているだろうか。堀田は湘北高校不良グループの番長格として登場したにもかかわらず、昼寝を邪魔したという理由で流川楓にボコられたり、桜木花道には持ち上げられて放り投げられたりと、物語序盤から散々な目に遭ったキャラだ。

 そして堀田は湘北バスケ部プレイヤー・三井寿のかつての不良仲間でもあり、「三っちゃん」と呼んで慕う姿も記憶に残る。この記事では、三井との絆を通して堀田という男の生き様に迫ってみたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■バスケ部襲撃事件における堀田の姿

 バスケに挫折し不良となった三井。三井は1学年年下で生意気、そしてバスケの才能のある宮城リョータに苛立ち、因縁をかけ暴力沙汰を起こす。さらにその後、“バスケ部襲撃”という一大事を企てることになった。そして、そのどちらにも三井の不良仲間として加勢していたのが堀田だ。

 体育館でバスケ部を相手に大暴れする三井たちであったが、桜木軍団が助っ人に駆けつけたことで形勢逆転。引き上げを考える堀田だったが、一方、三井はボロボロになるまで殴られても諦めようとしない。その姿を見て「な…なにをそんなにこだわってんだ 三っちゃん」と困惑する堀田。この時点で彼は、三井がバスケ部に未練を残していることを知らなかったようだ。

 そしてまもなく赤木剛憲が現れ、木暮公延によって三井がバスケ部であること、かつての栄光と挫折した過去が明らかになると、堀田は「三っちゃん 本当は…バスケ部に戻りたいんじゃ…」と三井に近づき、ほかの不良たちとは一人異なる反応を見せた。

 そして安西先生が現れ「バスケがしたいです……」と泣き崩れる三井に、堀田は何か思うところがあったのだろう。最終的に彼は桜木軍団とともにすべての罪を被り、三井のバスケ部復帰の可能性を残すのであった。

■応援団として湘北に熱いエールを送る堀田

 事件後の堀田は、湘北バスケ部を応援する姿が印象的だ。

 まず海南戦で、不良仲間を引き連れて会場に姿を現した堀田。試合が終盤に差し掛かると居ても立っても居られなくなったのか「声が小さァい!!」「おまえら もっと気合入れろォ!!」と応援席の最前列まで出てきて、自ら「ショーホク!!」と応援し始める。

 続く陵南戦では、さらに応援に力を入れる堀田。「炎の男 三っちゃん」と書かれた応援旗を掲げ「三っちゃーん」と野太い応援を飛ばす。三井には「やめろ 気持ちワリーな!!」と嫌がられていたが……。

 そしてさらに、堀田は広島でおこなわれたインターハイにも駆けつけている。しかし、間違って相手サイドの観客席に座って応援し始めてしまい、ガラの悪い豊玉の応援団には追いかけ回されることとなる。遅れて会場入りした桜木軍団に「おせーよ お前ら!! 殺されそーになったんだぞ!!」と泣きつく姿があり、バスケ部応援を通じて桜木軍団とも良好な関係になっている姿もまた良かった。

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