■『ドラゴンボール超』ではバトルより妻の出産

 『ドラゴンボール超』第83話「第7宇宙代表チームを組成せよ!最強の10人は誰だ!?」では、ブルマの出産に立ち会うため、ベジータが大会への参加を一時的に拒否する姿が描かれている。

 力の大会という地球の存亡をかけた場面でも、家族を優先するベジータ。子どもの名前を考えているベジータに悟空らが大会出場を促しても、「俺は人数から外してくれ、明後日じゃ子どもが生まれているかどうか分からんからな」と首を縦に振らず。「どうしてもと言うならブルマを説得しろ」と頑固に主張する、父親としての責任感をにじませるやりとりだ。

 ブラが無事誕生した後、悟空たちが娘を抱っこするシーンでは、関心が無いふりをしつつ、実は深く気にしていたベジータの一面があらわとなった。

■『ドラゴンボール超』で明かされた、意外とキスをするベジータ

『ドラゴンボール超』第60話「再び未来へ 明かされるゴクウブラックの正体!!」では、未来トランクスがマイに口移しで仙豆を与える場面がある。これを見た悟空が「ひゃートランクス、よく口と口くっつけんなあ」と驚くと、ベジータは「貴様……したことないのか」と衝撃を受ける。

 さらに「結婚しているじゃないか!」と悟空を追及するが、悟空は「何か関係あんのか? それが」と平然と答える。この一連のやり取りは、悟空とベジータの価値観の違いを際立たせるユニークな場面である。

 また、『ドラゴンボール超』第29話「格闘試合開催決定! 主将は悟空よりも強いヤツ」ではブルマが「ごくろうさま」とベジータの頬にキスをしているほか、第31話「ズノー様のもとへ! 超ドラゴンボールのありかを聞き出せ!」では、ブルマとジャコの二人旅に対して「おい、ブルマに変なことするなよ」と忠告するシーンが描かれており、随所でベジータの愛妻家ぶりが描かれている。

 漫画『ドラゴンボール』でも、魔人ブウとの戦いで自爆する直前に「ブルマを……ママを大切にしろよ」とトランクスに伝える場面がある。あの残虐冷酷なベジータが家族への深い愛情を持つようになった名シーンだ。

 『ドラゴンボールDAIMA』で描かれた新たなベジータ像も含め、愛妻家としてのベジータがどのように描かれるか、これからも注目したい。

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