■特殊な力や技には弱い!? 最後まで漢気を見せた散り方
アルデバランは原作漫画「ポセイドン編」で、ソレントとの戦いにて命を落としてしまう。
「黄金聖闘士編」で星矢たち青銅聖闘士たちは、瀕死の重体に陥っていた。その隙を見計らってソレントは彼らの命を奪いに来るのだが、そこにアルデバランは立ちはだかる。
しかしアルデバランは、ソレントが奏でる“デッド・エンドシンフォニー”を聞いてしまう。この技は脳に直接ダメージを与える技だ。危険を察知したアルデバランは、なんと自分で自身の鼓膜を指で破るという荒業に出る。しかしそれでも技の無効化には至らず、アルデバランは「星矢 女神をたのむぞーッ」の言葉を残し、“デッド・エンドクライマックス”によりバラバラに砕けてしまうのだ。
あっけない結末に見えた2人の戦い……。しかし彼が死んだあとも牡牛座の聖衣は星矢たちを守るべく立ちはだかり、アルデバランの小宇宙によりソレントが前に進むことはできなかった。この状態にソレントは「アルデバラン きみは死してなお 星矢たちを守るのか…」と驚いている。
これまでのアルデバランの戦いを見ると、彼は星矢らが目覚めたセブンセンシズや、ソレントのデッド・エンドシンフォニーといった特殊な力や技には弱いのかもしれない。
力技が得意なアルデバランにとって、五感にダメージを与える技とは相性が悪く、その実力が発揮できないのだろう。純粋な格闘技バトルであれば、きっと最終まで残っているのではないだろうか……とも思えるキャラなのである。
ちなみに星矢とのバトルで負けを認めた際、アルデバランは「ウワーッハハハーッ!! いやあ まいった オレの負けだ 星矢 ハハハ…」と豪快に笑っている。自分の負けを素直に認めて感情を表すキャラは黄金聖闘士のなかではかなりレアだ。その後、十二宮を進む星矢たちにアドバイスを送る姿からも、誠実さと思いやりが感じられる。
こうした面から見ても、アルデバランは黄金聖闘士のなかでも男らしく豪快で、とくに人間味あふれるキャラクターのように思う。原作の登場シーンこそやや少ないものの、人間的な魅力はとても大きく、本作に欠かせない存在であった。