■『レベルE』マーメイドを騙していた密猟者
宇宙人をテーマとしたSF漫画『レベルE』にも、ゲスキャラが登場していた。コミックス3巻「No.014 Boy meets girl」に登場した宇宙人密猟商がその代表例だ。
惑星ホルン出身の尾の先が2つに分かれている宇宙人“ツインテールマーメイド”を捕まえ、商売に利用していた密猟商。嘘をついた相手を反射的に攻撃してしまうマーメイドの特性を完全に逆手に取り、“嘘をつく際に出る特殊な音”をごまかす特殊な機械を使い、“客をとり終えたら仲間のところへ帰してやる”と、マーメイドを騙し続けていた。
結局その嘘は、小学生5人組の戦隊“カラーレンジャー”によって暴かれることとなる。さらに帰るはずの故郷のマーメイドたちも同じく売り飛ばされ、おそらく全員が死んでいるだろうという衝撃の事実が明かされる。
最終的に密猟商は、マーメイドのかたき討ちによって銃で撃ち殺されるという自業自得の結末を迎えることになった。
ちなみに、密漁商のボス格の人物は無精ひげにロン毛と、のちの作品である『HUNTER×HUNTER』の大ゲスキャラ・ツェリードニヒ=ホイコーロにどことなく似ていおり、冨樫氏のゲスキャライメージが垣間見えるのも非常に面白い点だ。
冨樫義博氏の作品には、正義や友情といったテーマだけでなく、人間の裏の部分もリアルに描かれている。今回紹介した「ゲスキャラ」たちは、その作品に暗い影を落としつつも、物語をより深く刺激的なものにする存在であったように想う。
冨樫氏の漫画には、このほかにもたくさんの悪意に満ちたキャラが登場する。あなたが考える一番の「ゲスキャラ」は誰だろうか?