■目指したのは最強の「矛と盾」?
最後に紹介したいのは、長谷川裕一氏の人気漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(KADOKAWA)に登場した「クロスボーン・ガンダムX3」だ。同機は主人公「トビア・アロナクス」の乗機となり、劇中では実験機的な扱いとなっていた。
最強の「矛と盾」の両立を目指す、試験的な武装が搭載されているのが同機の特徴だが、これらは大きな欠陥を抱えていた。
最強の矛となる「ムラマサ・ブラスター」は、15本ものビーム刃を発生させる巨大剣。破壊力は絶大だが、当然ながら燃費は悪く長時間の使用はできない。
さらに最強の盾として、両腕に「Iフィールド・ハンド」を装備しており、これは掌からIフィールドを発生させることで、ビームを反射、屈曲させるというもの。ビーム兵器に対して無敵に近い防御力を発揮する。
しかし、こちらにも大きな欠陥があり、最大稼働時間は105秒で、再使用するには120秒の冷却時間が必要になる。つまり片腕ずつIフィールドを展開したとしても、15秒は必ず無防備な状態が発生してしまうのだ。
パイロットのトビアがこの仕様を知ったとき、「実験機だと思って無責任なもんをーっ!」と叫んでいたが、そう愚痴りたくなる気持ちも分かる。
このようにガンダムシリーズにおける主人公機は必ずしも完全無欠の存在ではなく、明らかな欠陥を抱えているものもあった。しかし、そんな欠点すら克服してしまう、たくましい主人公たちだからこそ、ドラマが盛り上がるのかもしれない。
ガンダム好きの皆さんが「自分なら絶対乗りたくない」と思った欠陥機とは、どのような機体だろうか。