最強のガンダムなのにワケアリ…?ストライクフリーダムにユニコーン、クロスボーン・ガンダムも…歴代『ガンダム』実は欠陥を抱えていた「主人公機」たちの画像
パイロットも思わず愚痴ってしまったクロスボーンガンダムX3 「機動戦士クロスボーン・ガンダム 6」(KADOKAWA)

 ガンダムシリーズにおいて「ガンダム」と名のつく機体、特に主人公が乗る機体は専用機であったり、特別な仕様が隠されていたりと強力な機体の場合が多い。

 そんなガンダムの活躍ばかりに目が行きがちだが、実は欠陥を抱えていた主人公機があったことをご存知だろうか。

 有名どころでは『機動戦士Vガンダム』の後期からの主人公機「V2ガンダム」の「光の翼」がある。劇中ではウッソが機転を利かせて必殺技のように利用していたが、本来光の翼は「ミノフスキー・ドライブ」が抱える欠陥によって生じた現象だった。

 そのほかにも、欠陥といわざるをえない欠点を抱えた主役機は存在する。そこで今回は主人公が搭乗したガンダムながら、欠陥らしき設定があった機体を振り返っていきたい。

■舞い降りた、新たなる「自由の翼」 その実態は…?

 アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公「キラ・ヤマト」が搭乗した「ストライクフリーダムガンダム」。キラの高い技量もあり、作中最強の機体としてその名を轟かせた。

 あまりにも圧倒的な強さを誇り、欠点などなさそうだが、ガンプラの「MG1/100 ストライクフリーダムガンダム」の取扱説明書で明かされた機体設定には、欠陥といえそうな記載があった。

 まず腰部にある「クスィフィアス3 レール砲」はふだんは折りたたまれて収納されているが、そこにビームライフルをマウントすると、このレール砲は使用できなくなってしまうという点だ。

 さらにストライクフリーダムは装甲を細分化することにより、高い機動性と運動性を実現した。しかし、装甲を細分化したことで機体可動部の関節等が露出することになり、必然的に防御面には不安が生じることとなる。

 防御面を犠牲にしたとしても運動性に全振りした設計で作られたのは、搭乗者キラ・ヤマトの能力に対する絶大な信頼の証ともいえるだろう。「当たらなければどうということはない」とは『機動戦士ガンダム』のシャア・アズナブルの言葉だが、その思想を主役機に持ち込んだのは、なかなか思いきった選択に感じる。

 しかし、そこは「さすがはキラ」というところか、結局終戦までほぼ被弾率0%で戦い抜き、技術者たちの期待に応えるかたちとなった。

 これが「最高のコーディネイター」と呼ばれるキラ・ヤマトではなく、並みのパイロットが搭乗していたらどうなっていただろうか……。

■「白き一角獣」が隠していた獰猛な姿

 次はOVA『機動戦士ガンダムUC』の主人公である、「バナージ・リンクス」の搭乗機「ユニコーンガンダム」だ。最初は高性能な機体に振り回されていたが、バナージの成長とともに次第にコントロールできるようになっていった。

 しかし、同機の本来の開発目的は「マシンの力でニュータイプ神話を崩壊させる」というもの。敵ニュータイプの存在を感知することで、ユニコーンは自動的に「デストロイモード」へと“変身”し、パイロットは脳波だけで機体を操作できるようになる。

 いわば「ニュータイプを抹殺する」ための機能が自動発動するわけだが、この状態になるとパイロットの心身への負担が極めて大きく、常人ならば5分の稼働が限界。バナージも初起動時には失神していた。

 これだけでも搭乗者にとって相当危険な機体だが、ガンプラの「PG1/60 ユニコーンガンダム」の機体解説には、さらに危険な設定が記載されていた。

 ユニコーンガンダムを形成する「サイコフレーム」には機能的に未知数の部分があり、開発試験中には暴走事故を起こしていた。しかし開発者たちはその危険性よりも、その未知なる部分を活かすことを選び、システムが暴走状態となった状態を「アンチェインド」と名づけていた。

 なお、暴走したユニコーンガンダムはシステムとパイロットを直結。パイロットの生存率をいっさい考慮せずに生体部品にしたまま、敵のニュータイプを消し去るまで機械的に攻撃するマシンと化す。

 欠陥以前に、あまりにも危険な思想に基づいた機体設計といわざるをえないが、ニュータイプとして覚醒していったバナージは暴走状態に陥ることなく、やがて超常的な力まで発揮するようになった。

 ニュータイプを滅ぼすための機体が、ニュータイプの力を体現する機体となったのは皮肉なものである。

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