セイラさんとカミーユ暴挙のワケとは? まさかの人物がガンダムに乗り込んだ「とんでもない理由」の画像
「U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士ガンダム」(バンダイナムコフィルムワークス) (c)創通・サンライズ (c)創通・サンライズ・MBS

 「ガンダム」シリーズの主人公たちは、いわばなし崩し的にガンダムに乗り込むことが多い。しかし、それぞれが類まれなるセンスを見せ、ときにはガンダムの性能に助けられながら、初めて操縦したとは思えないほどの活躍を見せてくれた。

 たとえば『機動戦士ガンダム』の主人公「アムロ・レイ」は、自分の暮らすコロニーに攻撃をしかけてきたザクを止めるという理由で、「RXー78ー2 ガンダム」に乗り込む。ガンダムの性能の高さはいうまでもないが、アムロはビーム・サーベルでコクピットだけを正確に貫くという神業まで披露し、初陣で2機のザクを撃破するという戦果を挙げた。

 しかし、なかには少々常識はずれに思える、突拍子もない理由でガンダムに乗り込んだキャラクターもいる。そこで今回は、ガンダムに乗り込んだ特筆すべき理由を持つ人物と、そのとんでもない行動を振り返ってみたい。

■あの聡明な美女によるムチャな行動とは…!?

 アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する「セイラ・マス」は、劇中では避難民としてアムロたちとともに「ホワイトベース」に乗り込み、最初は医療スタッフの補助や通信士などを担当していた。物語中盤からはパイロットも務めるようになり、アムロの影には隠れているがニュータイプとしての才能をみせ、終戦まで戦い抜いている。

 常に冷静沈着な美しいお姉さん的な存在で、アムロやカイ・シデンといったほかの乗組員を導く場面も多かったが、そんな彼女がとんでもないスタンドプレーを見せたのが、第16話「セイラ出撃」の回だ。

 敵の接近を察知してホワイトベースは戦闘配備をとるが、なんとアムロよりも先に、セイラがガンダムに無断搭乗して出撃してしまう。

 その目的はジオン軍の兵士と接触し、実の兄と思われるジオン軍のエースパイロット「シャア・アズナブル」の動向を探ることだった。

 しかし敵の数が多く、セイラの目論見は失敗に終わる。それどころかガンダムを鹵獲される寸前まで追い詰められた。

 アムロの活躍でなんとかセイラは助かり、逆に敵兵を捕虜にしたことで、結果的にシャアの情報を聞き出すことはできたが、それはあくまで結果論である。

 地球連邦軍の最高機密であり、ホワイトベースの最高戦力のガンダムを、私的な理由で鹵獲されかねない危険にさらした彼女の行動はあまりにも身勝手といわざるを得ない。

 しかし、このあと「ガンダムから降ろされそうになったから」という理由で、アムロも無断でガンダムを持ち出してしまうのだが……。

■行動の突飛さは、主人公のなかでもピカイチ?

 アニメ『機動戦士Zガンダム』の主人公である「カミーユ・ビダン」は、第1話でティターンズに所属する「ジェリド・メサ」から「女の名前なのに、なんだ男か」と侮辱される。コンプレックスだった自身の名前を初対面の男にバカにされたことで、カミーユは激怒。感情の赴くまま、ジェリドを殴りつけた。

 どんな理由であれ、正規軍人を殴ったカミーユは、その後ティターンズのMP(軍警察)から理不尽な尋問を受けることになるが、「ガンダムMkーII」の墜落事故の混乱に紛れて脱走する。

 するとカミーユは、今度は自分に暴力的な尋問を行ったティターンズのMPに怒りを見せ、カミーユは放置されていたガンダムMkーIIに勝手に乗り込むという暴挙に出た。

 そしてティターンズとエゥーゴの機体が入り乱れるなか、カミーユが最初にとった行動は、自分を一方的に殴ったMPの男に対して、バルカンで威嚇射撃を行うことだった。

 カミーユは「一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろうか!」と叫び、怯えるMPの姿を見て「ハハハ! ざまあないぜ」と言い放つ。個人的な復讐を果たすためにガンダムを強奪し、モビルスーツで生身の人間に向かって射撃を行ったのだから、まさにぶっ飛んだ主人公である。

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