2024年11月に発売された『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(スクウェア・エニックス)は、リリースから1か月を待たずに200万本を突破。さすがの人気ぶりを見せつけました。
筆者も『ドラクエ』シリーズのなかで一番思い入れのある作品ということで、お正月休みを利用してファミコン版以来となる冒険に出発。36年ぶりの『ドラクエ3』は、ファミコン版にはなかったエモい演出も多く、新鮮な驚きの連続でした。
そこで今回はHD-2D版『ドラクエ3』で、アラフィフのおっさんプレイヤーがエモさを感じたシーンを振り返ります。
※本記事はHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』のネタバレを含みます。
■知らないエピソードが追加されてる? 主人公の親父・オルテガの軌跡に感動…
ファミコン版では、立ち寄った街や村でたまに耳にするぐらいだったオルテガの武勇伝。しかしHD-2D版では、冒険に旅立つ際の夫婦の会話、「ポカパマズ」と呼ばれていたムオルの村での足取りと父の愛用の品の入手、そしてレヴナントなる魔物にネクロゴンドの火山に落とされた逸話などがイベントのなかに盛り込まれています。もちろん主人公との最期の別れのシーンにつながるキングヒドラ戦もダイナミックな映像で描かれていました。
その大半はスーファミ版のリメイクの時点で盛り込まれていたそうですが、今回のHD-2D版が初見となる筆者としては、美しい映像で掘り下げられたオルテガにまつわるエピソードの数々に感心させられます。
それらのなかでも、甲乙つけがたいくらいグッときた、オルテガ絡みのエピソードがありました。
ひとつは、結果的にオルテガの形見となる「オルテガのかぶと」入手後の流れです。ムオルの村で手に入れた「オルテガのかぶと」は、「ブルーメタル」という希少金属を使ってドワーフが鍛え直すと「ひかりのかぶと」になります。
このブルーメタルは、のちに「ロトのよろい」となる「ひかりのよろい」の素材ともいわれていました。つまり、後世に伝わる「ロトのかぶと」は、主人公の父の形見である「オルテガのかぶと」がベースになっていることを匂わせるエピソードになっていたのです。
そしてもうひとつ、サマンオサの勇者・サイモンとのエピソードも忘れられません。
オルテガのライバルであり、友人でもあったサイモンは、10年も前に偽サマンオサ王に投獄され、獄中で無念の死を遂げます。彼が最期を迎えた牢獄を主人公が訪れると、亡きサイモンの魂は、友であるオルテガとの約束が守れなかったことを詫びていました。
サイモンの魂は、愛剣「ガイアのつるぎ」をオルテガに託しますが、それを実際に受け取ったのはオルテガの子である主人公でした。
かつて腕を認め合い、友となったオルテガとサイモン。多数の魔物から逃れるために二手に別れ、サイモンはいずれオルテガのもとに駆けつけて合流することを誓うイベントが追加されていました。このシーンを目の当たりにしたからこそ、10年もの間、冷たい牢獄で待ち続けたサイモンの無念と、死してなお続く友情に胸が熱くなりました。