■戦場を蹂躙する姿から伝わる王としての貫禄…『キングダム』長澤まさみ
2006年より『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載中の、原泰久さんの『キングダム』。本作は春秋戦国時代末期の古代中国を舞台に、戦乱の世を生きる人々の激突や葛藤、成長劇を描いたアクション作品だ。
“天下の大将軍”を目指す主人公・信の熱く痛快な活躍が見どころの本作だが、その高い人気を受け、2019年より実写版映画が4作にわたって公開されている。
キャラクター造形や名シーンの再現度の高さなど、原作ファンをも唸らせる実写映画シリーズなのだが、なかでも超絶アクションで魅了した女優といえば、楊端和を演じた長澤まさみさんだろう。
山民族を率いる楊端和は、その強さとカリスマ性から“山界の死王”なる異名で恐れられているキャラクターだ。長澤さんはこの役を演じるにあたり、なんと実際に剣の素振りをおこない、武器に振り回されない肉体を作り上げたという。
その結果、大群を相手に怖気づくことなく堂々と踏み込み、手にした二振りの剣で立ちはだかる敵を容赦なく切り刻んでいく楊端和の勇姿を見事に再現。
ときには獣が如く跳躍し相手に飛び掛かっていくシーンもあったりと、一般的な兵士とは違う躍動感溢れる身のこなしはまさに“山界の死王”そのものだった。
鬼気迫る表情で悠然と敵を切り倒していく長澤さんの殺陣は圧巻で、何度見ても見入ってしまう。
漫画の実写化作品では数多くの女優たちが体を張り、原作さながらの壮絶なアクションを披露している。
アクションを成し遂げる凄まじい身体能力はもちろん、原作を再現するために彼女たちが取り組んだ役作りのエピソードの壮絶さにも、あらためて驚かされてしまった。
彼女たちのこれまでのイメージとは一風違った超絶アクションの数々を、ぜひご自身の目で確かめてみてほしい。