ガンダム作品では、キャラクターの良し悪しやモビルスーツ(MS)の性能差について語られることが多いが、ときには部隊単位でスポットがあたることもある。有名どころでは『機動戦士ガンダム』に登場した「ホワイトベース隊」などが分かりやすい。
しかし作中で目立ったわりに、そのすごさにいまいちピンとこないのが、サウス・バニングが率いた「不死身の第4小隊」ではないだろうか。
部隊名は知っているものの、具体的に何を成し遂げたのかよく分かっていない人もいるはず。そこで今回は「不死身の第4小隊」の活躍や彼らのアフターストーリーについて振り返っていきたい。
■不死身の第4小隊とは
そもそも不死身の第4小隊とは、地球連邦軍のサウス・バニング大尉を隊長とする部隊の通り名だ。メンバーはバニングを筆頭に「アルファ・A・ベイト」「ベルナルド・モンシア」「チャップ・アデル」の計4人。OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場した。
『0083』においては主人公のコウ・ウラキとともに、ジオン軍残党の「デラーズ・フリート」との戦いに参加。このときは戦艦アルビオンに所属している。
MSの操縦技術はたしかなものの、ベイトとモンシアの性格は最悪。特にモンシアは、新兵を見下したり、女性にちょっかいを出したりもする。パワハラとセクハラが同居したような男だ。
表向きは好印象を持たれるキャラクターではないので、初めて観たときは「なんだこいつ」と感じたのを覚えている。なお、最近あらためて『0083』を視聴する機会があったのだが、デラーズ・フリートの捕虜に対して普通に暴力を振るっていたシーンは恐怖を通り越して、単純に引いてしまった……。
■一年戦争の主要戦場を生き抜いた精鋭
本作はコウ・ウラキとアナベル・ガトーの因縁とライバル関係を軸に描かれるため、正直なところ「不死身の第4小隊」の直接の活躍シーンはそこまで多くない。
では、なぜ「不死身の第4小隊」などという仰々しい通り名がついているのか。それは、一年戦争での活躍に起因する。実は一年戦争終盤の主要戦に参加しながら、全員が生き延びたからである。
そのひとつがソロモン攻略戦。連邦軍のソーラ・システムの威力によって戦況は連邦有利に進んだが、ドズル・ザビがモビルアーマー(MA)のビグ・ザムで出撃。連邦軍は、多くの宇宙戦艦とパイロットを失う大きな被害を出していた。
さらに、不死身の第4小隊のメンバーは、ア・バオア・クー攻略戦にも参加している。ア・バオア・クー攻略戦は一年戦争最後の戦いで、ジオン、連邦ともに総力をあげての死闘となった。
もちろん最終的に両軍は大きな被害を出し、戦争継続は困難に。それほどの大激戦であったにもかかわらず、バニングら不死身の第4小隊のメンバーは全員が生還したのである。
特筆すべきは「誰かが生き残った」のではなく、「全員が生き残った」点だろう。個々の強さだけでなく、部隊としての強さがハッキリと証明されている。問題児を擁してはいるが、彼らの結束力は強い。