■ビジュアルに立ち振る舞い、まさに“完全再現”だった『ヤッターマン』深田恭子
マルチタレントとして広い分野で活躍し、のちにドラマや映画への出演はもちろん、アニメや吹き替え版の声優としても活躍を続ける90年代アイドルといえば、深キョンの愛称でおなじみの深田恭子さんだろう。
コメディやホラーなど多くのジャンルの作品に出演している深田さんだが、彼女が凄まじい再現度の高さを見せつけた作品といえば、やはり2009年に公開された『ヤッターマン』ではないだろうか。
ご存じ、タツノコプロ原作のアニメを実写化した映画作品なのだが、深田さんは主人公・ヤッターマンたちと敵対する悪役・ドロンボー一味のリーダー・ドロンジョ役に起用された。
ドロンジョといえば黒と赤を基調とした覆面とボディースーツといった出で立ちが特徴的なキャラなのだが、映画ではこのディテールを見事に再現。なんと深田さんは総製作費5000万円の衣装に身を包み、ヤッターマンに立ちはだかる悪女へと変身してみせた。
その見た目もさることながら、作中で見せるセクシーな立ち振る舞いや、部下を顎で使う高飛車な態度、上司にぺこぺこする弱気な姿勢など、原作さながらのキュートなドロンジョ像は圧巻。「完全再現」の声が多く寄せられた。
まさにハマり役として多くのファンを魅了したのだが、なんと映画公開後は深田さん演じるドロンジョのフィギュアまで発売されるなど、主人公であるヤッターマンたち以上の圧倒的な存在感を見せつけていた。
トップアイドルとして活躍してきた深田さんだからこそ演じきれた、シリアスとコミカル、愛くるしさを融合した敵キャラクターといえるだろう。
当時、数々のブームを巻き起こした90年代アイドルたちだが、実写映画でもその愛くるしい姿は変わることなく、多くの視聴者たちを魅了している。
原作を完全再現したものから、彼女たちのイメージを取り入れたオリジナルのものなど、作品ごとに演じるキャラクター像も千差万別だ。
今回紹介した作品のなかには、女優としてブレイクする前の貴重な映像も残っている。いま見返してみると、彼女たちのフレッシュな姿に思わず心を奪われてしまうかもしれない。