『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ「ギャン」の型式番号は「YMS-15」。それにちなんで1月5日は「ギャンの日」といわれている。
初代ガンダムのなかでギャンは、マ・クベの乗機としてガンダムと戦った。わずか1話のみの登場だったが、マ・クベのキャラクター性と個性的な戦闘スタイル、西洋の甲冑のような独特のビジュアルなどから人気のモビルスーツだ。
映像作品にギャンの後継機はあまり登場しないが、実はゲームやガンプラを含めるとギャンの系譜は多く存在する。そこで今回は、個人的にとくに印象的だったギャンのバリエーションを紹介しよう。
■元祖のコンセプトは無視? 中距離支援用のギャン
ギャンといえば白兵戦をコンセプトとした機体で、『機動戦士ガンダム』のマ・クベは盾から放つ「ニードル・ミサイル」や、宇宙機雷「ハイド・ボンブ」でけん制しつつ、接近戦へと持ち込んだ。
まさに近接戦闘こそ「ギャンの醍醐味」と思われたが、そのイメージをくつがえしたのが「ギャンキャノン(MS-15C)」と呼ばれる機体だ。
ギャンキャノンは、人気ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズが初出となるゲームオリジナルの機体で、次期主力MSのコンペで「ゲルググではなくギャンが採用されたら」というIFストーリーに登場。ガンダム内の史実でいう「ゲルググキャノン」に相当する機体となる。
主武装はバックパックに2門装備された「180ミリキャノン」で、両腕には「3連装グレネードランチャー」を備えている。完全に砲撃支援用モビルスーツかと思えば、しっかりビームサーベルも装備していて格闘戦も可能だ。ただし、ギャンの代名詞だった円形の「ミサイル・シールド」は装備していない。
緑を基調とした渋めのカラーリングと、ゴツい肩部アーマーがマッシブなシルエットを生み出し、個人的にはシンプルでかっこよく見えた。
■ギャンの正統強化! オシャレなデザインの名機
ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズから生まれたギャンのバリエーションはほかにもある。ギャンの機動性能をさらにアップさせるという強化・改修を経て誕生した強力な機体が、「高機動型ギャン(MS-15B)」である。ガンダムの実際の史実でいうと「高機動型ゲルググ」に相当する機体だ。
従来のギャンからバックパックを換装し、ジェネレーター出力を強化したことで機動性が飛躍的に向上。それ以上に見た目の変化が大きかったのは、近接武器が従来の「ビーム・サーベル」から「ビーム・ランス」に変更された点だろう。
このビーム・ランスを持つことで、ギャンの騎士風のイメージがいっそう増し、より格闘性能がアップしている。もちろんミサイルを内蔵した円形の「ミサイル・シールド」を装備している点もポイントが高い。
カラーリングはグレーを基調としていて、イメージとしてはユニコーンガンダムに近いかもしれない。遠目からはジオン軍のモビルスーツには見えないスタイリッシュさが漂う機体だ。