■女神の名を冠する誉れ高きギャン!
ギャンのバリエーションの中で、個人的に1、2を争うほど好きなのが「ギャン・エーオース」だ。同機の初出はMSV-Rで、虎哉孝征氏による漫画『機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』(KADOKAWA)、Ark Performanceの『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』(KADOKAWA)などにも登場する。
最初に試作されたYMS-15ギャンは3機あり、そのうちの1機はマ・クベが受領してガンダムと戦った際に搭乗。残りの2機はキシリア・ザビの突撃機動軍に配備され、実戦用に改修を施されたのがギャン・エーオース(YMS-15E)である。
デギン・ソド・ザビ公王のロイヤルガードも務めたこともあり、ア・バオア・クーの防衛戦では突撃機動軍旗艦の護衛を担うなど要所で用いられた機体だった。
ギャン・エーオースの背部ランドセルは高機動型のブースターパックに変更され、機動力は大幅に向上。近接武器は、従来のビーム・サーベルから新兵装である銃剣型の「ビーム・ベイオネット」に変更されており、ビーム・ガンとビーム剣が一緒になった近・中距離に対応可能な試作型武装だ。
なお「エーオース」の名は、ギリシア神話に登場する暁の女神「エオス」に由来する。個人的には、キシリアに絶対の忠誠を誓うマ・クベにこそ乗ってほしかった機体だ。
ガンダム内の史実において、ギャンはゲルググとの次期主力量産機競争に敗れたため、量産化されることはなかった。しかし、ギャンの設計思想は「ガルバルディβ」や「R・ジャジャ」などに受け継がれている。
ちなみに、2024年に公開された劇場版『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』には、「ギャンシュトローム」というセルフオマージュ機も登場するので、ギャン好きの人はチェックしてみてはいかがだろうか。