■復讐を止めようと胸を刺される! 正義感の塊のような青島

 第9話「湾岸署大パニック 刑事青島危機一髪」では、愛人と一緒になるため夫が妻を殺害するという凄惨な事件が起きる。青島とすみれは事件の発端となった愛人・武下純子を保護する任務を受け、湾岸署へ連れてきた。

 “自分には関係ない”と言わんばかりの、高飛車な性格の純子に霹靂する青島たち。見ているこっちも、なんて偉そうな愛人なんだと憤った覚えがある。

 だが、この愛人・純子に対し、強い殺意を持ち復讐しようとした人物がいた。それが、被害者の兄・佐伯五郎だ。

 佐伯は湾岸署に潜入し刑事課までやってきた。そして、保護が解除されて帰宅しようとした純子を襲うのだ。

 「お前も死んだ妹のところへ行け」と言い、ナイフを取り出した佐伯。これにいち早く気付いた青島が机の上に飛び乗りダイブし止めに入るが、激しいもみ合いの末、胸を刺されてしまう。実はナイフは胸に入れていたお守りに刺さり九死に一生を得ることとなるのだが、本当に死んだかも?と思ってしまうほど、織田さんの演技は迫真だった。

 その後、和久平八郎と柏木雪乃に事情聴取を受け、反省する様子を見せた佐伯。“もう復讐なんてバカなことは考えない”と2人に説得され、青島は傷害で立件せず事件をなかったことにしてしまう。

 「労災おりりゃ 何でもいいや」と、あっけらかんとした笑顔の青島を見つめる佐伯の姿が印象的だった。最初から最後まで弱者に寄り添う青島は、本当に正義感の塊のような男だった。

 

 こうして振り返ってみても『踊る大捜査線』は熱く、面白いドラマだ。青島のように市民のために命をかけてくれる刑事がいたら、全力で応援したくなってしまう。そんな気持ちにさせられるのも、織田さんの体当たりの演技があってこそだろう。

 2026年の新作映画『踊る大捜査線 N.E.W.』でも、青島の熱い姿は見られるのだろうか。楽しみに公開を待ちたいと思う。

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