「何度観ても泣ける…」名作ドラマ『踊る大捜査線』織田裕二の熱さに惚れる「青島の名場面」の画像
織田裕二  写真/ふたまん+編集部

 『踊る大捜査線』シリーズ12年ぶりの完全新作となる映画『室井慎次 敗れざる者』が10月11日より公開となり、大ヒット。さらに、新作映画『踊る大捜査線 N.E.W.』の2026年公開が発表され、織田裕二さんが出演することも明らかとなった。

 歴史に残る名作シリーズ『踊る大捜査線』だが、火付け役となったのは、1997年に放送された連続テレビドラマだ。回を増すごとに注目度が増していき、最終的には視聴率20%超えを記録。その後、映画やスペシャルドラマ、スピンオフ作品が作られていった。

 見どころ満載の本作だが、なんといっても織田さん演じる青島俊作刑事の熱い情熱に視聴者は夢中になった。今回は、ドラマ版での織田さんの体当たり演技を振り返りたい。

■出世を捨ててでも少女の涙を優先…殴られようとも弱者を助けるカッコよさ

 第4話「少女の涙と刑事のプライド」は、室井の要請を受けた青島が警視庁に派遣される回だ。初の 警視庁捜査一課とあって緊張とやる気を見せていたが、本庁の刑事たちは所轄の刑事である青島をまったくアテにしていなかった。

 タレコミがあったクラブで青島ら捜査員の待機中、被疑者・大木が登場する。だが、ここで青島は少女に暴力を振るうチンピラ男を発見。殴られて鼻と口から出血している少女は、目が合った青島に助けを求めていた。

 「待つんだ 青島!」という室井の指示に応えようとするも我慢できず、ついに青島は無線を切り、チンピラ男に立ち向かっていく。

 「何やってんだお前は!」と、怒涛の勢いで少女から男を引き剥がし、殴られようとも「女殴ってんじゃねーよ!」とフロアに投げ飛ばす青島。取っ組み合いとなるなか、「誰だテメー!」と聞いてくるチンピラ男に対し「湾岸署だ!」と明かすのだ。

 無事チンピラ男を確保し、泣きじゃくる少女に優しく「大丈夫だから」と伝える青島だったが、この混乱に乗じて大木は逃走してしまう。

 その後、当然ながら青島は室井たちキャリア組に責められることになるのだが、「事件にでかいとか小さいとかあるんですか」と自らの考えを訴え、そして、責任を取って警察を辞める決意を見せる。

 目の前で助けを求める人を無視できない性格だけに、凶悪事件を優先する警視庁の捜査方針に納得ができないのは当然だろう。出世を捨ててでも、信念を曲げないその姿はカッコよすぎるものだった。また、この回では演じる織田さんの気迫が凄まじく、青島というキャラクターの熱さ、優しさを視聴者に伝えた回となっていた。

■すみれに逮捕させるためナイフを持った犯人と対決

 第5話「彼女の悲鳴が聞こえない」では、冒頭からショッキングな出来事が起きる。恩田すみれが以前逮捕した犯人・野口達夫からストーカーをされたうえ暴行を受け、怪我を負ってしまうのだ。

 逃走中の野口はただの復讐心からではなく、アニメの女性キャラとすみれを混同させ、ストーカーをしていたことが判明。すみれの部屋に忍び込み、ビデオ撮影をして湾岸署に送り付けてくるなど常軌を逸した行動を取り、彼女を恐怖に陥れる。

 一方、警視庁では野口によく似た犯人から女性が襲われる被害が立て続けに起き、すみれの事件を含め、広域連続傷害事件として本庁が指揮を執ることとなった。

 事件を横取りされる事態に納得できない青島は、密かに捜査を続けた。そして、真下の機転で野口とコンタクトを取ることに成功し、会う約束を取り付ける。

 すみれを連れて合同捜査を抜け出し、“おとり捜査”を試みる青島。そしてついに野口とすみれが遭遇。すみれとの再会に喜び、ナイフを突きつけてきたまさにそのとき、青島が駆け付け彼女を守る。

 もみ合いになるなかナイフをなかなか放さない野口だったが、青島は渾身の力を込めてそれを押さえつけ、すみれに手錠をかけるように促した。

 逮捕されてもなお、おどける野口に向かってすみれは蹴りを入れる。その後「またやったら 今度は俺が刺す!」と、鬼の形相で伝える青島。さすがの野口も「もうしません……」と怯える様子を見せていた。

 規則を侵したことで罰を受けるかもしれなかったし、一歩間違えれば自分が刺されていたかもしれない状況だった。だが、被害者であるすみれの手で犯人を確保しないと彼女の傷は消えないと、刑事として同僚として彼女を思いやる情熱が素晴らしかった。

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