■ほとんどの敵を倒せるかもしれない「最強の技」とは?

 そして、作中でも特に強力で、どんな敵でも倒せるのではないかと囁かれてきたのがアックマンのアクマイト光線である。

 アックマンが登場したのは第9巻。最後のドラゴンボールのありかを教えてもらうために悟空たちが占いババに相談に行ったところ、1千万ゼニー、もしくは5人の実力者を倒すことで教えてやると言われ戦うことになった相手だ。

 アックマンは天下一武道会で2度も優勝したことのある実力者。彼の放つアクマイト光線は、食らうことで自分の中の悪い心が膨らみ、爆発して死んでしまうというとんでもないもの。「どんなに よいこぶったやつにも ぜったいに すこしは 悪の心がある」という、子ども読者がドキッとしてしまうような隙のない技で、チートすぎるこの能力が発揮された天下一武道会はさぞ凄惨な現場だっただろう。

 もしかしたらこの光線を浴びたらピッコロ大魔王やベジータ、フリーザなどを相手にしても勝てていたかもしれない。とはいえ、もちろん「当たれば」の話であり、長年最強説のあったアクマイト光線については、鳥山さん自らが読者からの質問に答える形で「たぶん相手に当たらないし、もうそんなレベルの闘いじゃないんだと思います」と語っている。

 ただ、この実は強いアックマンは2007年のアクションゲーム『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』で「意外な救世主」編の主人公として登場しており、フリーザを倒すというまさに「実は最強」の世界観を体感することができる。

 以上、『ドラゴンボール』初期の3つの技について紹介してきた。もしかしたらベジータやフリーザなどにも通じるかもしれないと書いてはいるが、実際のところは誰にも分からない。ただ、相手の動きを止める超能力が使えるチャオズが、サイヤ人のナッパ戦で「ボクの超能力が効かないっ」と言っているところから、あまりに実力差がある相手だと効かない可能性は高いだろう。ただ、さまざまな考察ができるのも『ドラゴンボール』という作品の魅力ではないだろうか。

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