2024年はさまざまなアニメが放送・配信され話題を集めたが、40代以上の人にとっては10月からフジテレビ系で放送となった『ドラゴンボールDAIMA』が大きなトピックスだったのではないだろうか。
鳥山明さんの名作漫画『ドラゴンボール』は、地球の脅威となる敵たちとの宇宙規模のバトルを描いた壮大な物語。だがもともとは、主人公・孫悟空が発明好きの少女・ブルマと出会い、なんでも願いが叶うという7つのドラゴンボールを探す旅に出る冒険譚だ。物語初期は西遊記をベースにした世界観で、特殊な技を使う敵キャラも多く登場しており、改めて振り返ると「これって実はけっこう強かったんじゃ?」というものもあった。
■初登場時のチチが使用していた強力技
たとえば、後に孫悟空の妻となったチチの技。すっかりお母さんキャラが定着してしまった感のある彼女だが、実は初登場時はとんでもないキャラだった。
初登場は第1巻で、巨大な恐竜に追いかけられている場面をヤムチャが目撃する。そこでチチは「いやあああ〜〜っ!!」と怖がりながらも、かぶっているヘルメットについているアイスラッガーのような武器を投げつけ、一瞬にして巨大な恐竜の首をはねてしまうのである。
それだけでなく、恐竜の首を見て驚いたチチは、同じくヘルメットから謎の光線を発して恐竜を爆散させてしまう。当時はギャグキャラ程度の印象しかなかったが、身を守るためとはいえかなり強力な装備を身につけていたのだ。
その後、ヤムチャもチチに狙われたが、事前にその様子を見ていたせいか、ヘルメットからの光線をなんとか回避しチチを気絶させることができた。
ただ、見る限り光線の速度はかなり早く、初見であればヤムチャはやられていた可能性もあるだろう。もちろんベジータやフリーザクラスの敵には通用しないかもしれないが、この装備さえあれば、ピッコロ大魔王の部下ぐらいとの戦いであればそれなりに活躍できたのではないだろうか。
■触るだけで人参になってしまうチート能力
そのように、一瞬で勝負を決めかねない強力技が登場していた初期『ドラゴンボール』だが、このテーマでは兎人参化(とにんじんか)も外せないだろう。彼は第2巻に登場した、とある町を我が物顔で徘徊しているウサギ団の親分であるが、彼の特殊能力は、触った相手を人参にしてしまうというものだ。体に触るだけで人参になってしまうため、誰も近づくことすらできないのである。
実際にブルマは人参にされてしまうが、悟空は如意棒を伸ばして兎人参化を攻撃し、あっさり倒してしまった。
ヤムチャにも名前が知られているほどであり、相当な有名人ではないかと思われるが、なんといっても触ることすらできないというのはこれまた初見殺しのチート能力である。
ピッコロ大魔王などは長年封印されていたため存在を知らず、もしかしたら触って人参にすることができていたかもしれない。また、スカウターでもおそらく「戦闘力たったの5か、ゴミめ」程度の数値しか出ないだろう。ベジータやフリーザのように、気を感じる能力を持っていないキャラ相手ならこっそり近づき人参にしてしまうこともできるかもしれない。
ただ、残念ながら、このとき悟空に敗れた兎人参化は月に置き去りにされてしまった。そのうえ、ジャッキー・チュンが天下一武道会の際に月を破壊してしまったため、残念ながらピッコロ大魔王以降の戦いに彼が登場することはなかった。