■デメリットが多かった?サイヤ人の大猿化

 最後に紹介したいのは、サイヤ人の大猿化である。悟空の大猿化は作中でも何度も登場していて、悟空の育ての親である孫悟飯(じいちゃんと呼ばれていた)が亡くなったのもこれが原因だ。

 そして、大猿化について明かされたのはラディッツが地球にやってきた時。サイヤ人なら誰もが持っている能力で、シッポと満月が関係していると明かされた。

 ベジータ戦では、ベジータは人工的に小さな満月を作り出して大猿化を果たしていた。この状態は人間の時の10倍の戦闘力になるとも説明しているところから、サイヤ人にとって大猿化は切り札のようなものだと伝わってくる。

 しかし、それもベジータ戦より後には登場しなくなる。戦闘力が10倍になるのなら、フリーザ戦でも使えば良かったのに……。そう思った人もいるはずだが、デメリットが多いのかもしれない。

 過去に悟空が天下一武道会でピッコロと戦った際、ピッコロは巨大化をしていたが、そのせいで悟空に口の中に入り込まれ、結局すぐ元に戻っていた。そこからも巨大化という行為自体、動きづらさや小回りの利かなさもあって、実力者との戦闘にはあまり向いていないのかもしれない。

 しかも大猿化をすると理性を失ってしまう可能性もあるので、戦闘力10倍という魅力より、リスクが大きいといえる。

 さらに「超サイヤ人」の設定が登場し、安定した状態で戦闘力を上昇させることが可能になった。それもあってか、大猿化やシッポのことはすっかり忘れ去られてしまった気がする。

 

 今回紹介してきたように、意外な特殊能力をふたつも身につけていた悟空。しかし、どちらも彼が身につけるよりも先に別キャラが使用しているので、それにも驚かされてしまう。

 ひょっとしたら、他にも忘れ去られた能力があるかもしれないので、探してみるのも面白そうだ。

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