『ドラゴンボール』そういえばどこ行った？悟空のテレパシー能力に大猿化など「いつの間にか使われなくなった能力」

　日本を代表する漫画のひとつとして、鳥山明さんによる『ドラゴンボール』（集英社）を外すことはできないだろう。

　連載終了から３０年近く経った今でも多くのファンに愛され、２０２４年秋にはアニメ最新作『ドラゴンボールＤＡＩＭＡ』が放送開始された。

　そんな『ドラゴンボール』の魅力のひとつに、キャラの特殊な能力がある。たとえば悟空の瞬間移動は、戦闘中にかなり役立ってきた。

　しかし、中には一瞬使われただけで、それ以降登場することなく存在感が薄れていった能力もある。

　そこで今回は、『ドラゴンボール』でいつの間にか使われなくなってしまった能力について紹介していきたい。

■すぐ登場しなくなった…悟空の記憶を読む能力

　悟空にはいろいろ不思議な能力が芽生えていたが、そのひとつに相手の記憶を読むというものがある。相手に触れただけでこれまでその人物が体験した出来事などを瞬時に理解できるのだ。

　ナメック星にいた最長老も、クリリンに触れただけでこれまでの出来事を察することができた。そのため、ひょっとしたらナメック星人の特殊な能力のひとつでは？とも思える。悟空がどこでそれを習得したのかは不明だが……。

　悟空はナメック星に到着するまでの数日間、宇宙船の中で重力装置を使い、１００倍の重力の中で過酷な修行をおこない、悟空自身でも驚くほどの強さを手に入れた。

　そしてリクームによって悟飯、クリリン、ベジータが絶体絶命のピンチに陥った時、悟空は現れる。この時の悟空は見た目はいつも通りだが、妙に落ち着いていて秘めた力を持っているかのようだった。

　悟空がリクームと戦う前、クリリンは彼に対し諸々の事情を語ろうとした。しかし、悟空はそれを遮ってクリリンの頭に手を触れ、たったそれだけで全てを理解してしまう。

　悟空はこの力について、なんとなくこうしたらわかるような気がしたと語っている。だが、これ以降この能力が使われる場面はなかった。

　実はこれと似た能力を、亀仙人も使える……。天下一武道会でナムの境遇を遠くから読んでいたのだ。彼の場合、相手に触れるどころか近づかない状態で全てを見通していたので、悟空以上の能力を持っていたことになる。流石は悟空の師匠だ。

　次も悟空の意外な能力を紹介したい。それがベジータ戦で使われたテレパシー能力だ。悟空が元気玉をクリリンに託した後、クリリンが放った元気玉はベジータに避けられてしまう。

　それが悟飯に直撃しそうになった時、悟空はまるでテレパシーのような形で悟飯に語りかける。「悪の気がない者ならはねかえせるはずだっ!!!!」そう言われると、悟飯は元気玉を弾いてベジータに直撃させた。

　その後も重傷を負って退却を余儀なくされたベジータにクリリンがとどめを刺そうとした時、悟空は同じようにクリリンの心の中に向かって逃がすよう叫んでいる。そこからも悟空が確実にテレパシーの能力を使えていたのは明らかだ。

　この能力は界王も使えるので、ひょっとしたら悟空は界王との修行によって身につけたのかもしれない。ただし、この能力はそう珍しいものではなく、天津飯やチャオズも普通に使うことができる。そう考えると、やはり鶴仙流はかなり優れた流派といえるだろう。

　悟空は上の場面のほか、フリーザ編で最長老と界王のテレパシーに割り込む描写もあったが、それ以外で活用していたようすはない。けっこう便利そうなので、もっと使えばよかったのに……とちょっと思ってしまった。