■コミカルなキャラやあっという間に描く地図が大人気『たんけんぼくのまち』

 『たんけんぼくのまち』は、1984年から92年にかけて放送された小学3年生社会科の番組である。

 番組の内容はこうだ。自分のお店を持ちたいと思ったチョーさん(長島雄一さん)が、商店街のいろいろな店を手伝って社会勉強をし、そこで学んだことを地図にまとめる、という話である。

 チョーさんは大人ではあるものの、その行動や発想は小学生のようで面白い。移動手段は愛用する自転車(チョーさん号)であり、犬に追いかけられたり、頼まれていた配達を忘れて慌てたり……と、まるで『ドラえもん』ののび太を見ているようで面白かった。

 そしてチョーさんといえば話の最後にまとめる地図も素晴らしかった。下書きをせず、いきなりマジックで訪れた建物や登場人物を描き、色とりどりの地図があっという間に完成していく。当時見ていた筆者のクラスでも、チョーさんを見習って学んだことを模造紙に書いていた。

 そんなチョーさんは現在『いないいないばあっ!』のワンワンの声とスーツアクターを担当している。芸名も長島雄一さんからチョーという名前に変えており、インタビューでは“当時の『たんけんぼくのまち』を見ていた子どもたちが親になり、『いないいないばあっ!!』を見てくれると思うと感慨深い”と答えている。

 昭和、平成、令和にかけ教育番組で大活躍している稀少な俳優だといえるだろう。

 

 これらの教育テレビを見返してみると、いずれもオープニングテーマの曲を今でも歌えることに我ながら驚いてしまう。当時の子どもたちが自然に口ずさめるような、親しみやすいメロディーになるよう工夫されていたのだろう。NHKの教育番組は細部にわたって、子どもたちに寄り添って作られた番組だったように思う。

 学校を休んだ日も私たちを楽しませてくれた教育テレビ。そこから学んだことは思いのほか大きいだろう。

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