『さわやか3組』に『おーい!はに丸』、『たんけんぼくのまち』も…学校を風邪で休んだ日に見ていた「90年代に放送されたNHK教育のテレビ番組」の画像
『おーい! はに丸』はに丸BOX [DVD](メディアファクトリー)

 スマホがなかった80〜90年代、子どもたちのおもな娯楽といえば、やはりテレビであった。なかでも、平日の午前中に楽しめたのがNHKの教育番組だ。学校の道徳の時間に視聴した記憶もあるが、長時間楽しめたのは“学校を休んだ日”である。

 学校を休んでいながらテレビを視聴することにわずかな罪悪感を抱きつつも、面白い番組たちに夢中になったものである。ここでは、そんな80〜90年代に放送された人気教育番組を振り返ってみたい。

■子どもたちが問題を提起するドラマが話題『さわやか3組』

 『さわやか3組』は1987年から2009年まで放送された、小学校中学年向けの教育番組だ。

 当時の教育番組は大人が子どもに向けて情報を提供することが多かったが、この番組の主人公たちは3組の子どもたちだ。学校で起きる日常生活をドラマにし、さまざまなトラブルを通じて、子どもたちに問題を提起している。

 本作は1話完結型のストーリーだが、問題が解決しないまま終わるケースも多い。たとえば「きまりでしょ!」という回の内容はこうだ。

 3組の学級委員長になったゆかり。真面目なゆかりはクラスメイトに対し“廊下は走るな”、“本は本棚に戻して”など、厳しく注意をする。それに対し反抗するクラスメイトのわたるたちに対しては「だって、きまりでしょ!」と言って譲らなかった。

 ある日、わたるはトイレを我慢できず赤信号を無視して道路を渡ってしまい、またゆかりに注意される。しかし後日、ゆかりもつい、赤信号で道路を渡ってしまうのだ。

 それを見たわたるは“きまりはきまりじゃなかったのか”と、ゆかりを責める。反省したゆかりは翌日わたるに謝ろうとするが、その矢先、わたるが廊下で投げたボールがゆかりにぶつかってしまう。気まずい雰囲気のなか、2人はお互いにどう声をかけようか……と思い悩む場面で物語は終わるのだ。

 このように『さわやか3組』は問題を提起したまま物語が終わるケースも多く、モヤモヤしてしまう展開も多かったように思う。

 筆者も小学生だった当時は「いるよなあ、こういうクラスメイト」とか「これは女子が悪いなあ」など、そのドラマの世界観にどっぷり浸かっていた。身近な出来事を通して、子どもたちが正しいことや大切なことを学べるように作られた番組であったように思う。

■最初はビックリした…巨大なはにわが主人公の『おーい!はに丸』

 『おーい!はに丸』は、古墳時代の素焼き人形である“はにわ”を主人公にした幼児向け教育番組である。1983年から89年にかけて放送され、そのインパクトのあるビジュアルは当時話題になった。

 はに丸は、少女・すみれちゃん(羽生愛さん 現:相原愛さん)や神田くん(三波豊和さん)、画家のおじさん(佐々木襄さん)そして馬のお供・ひんべえと一緒に、日々の生活を通してさまざまな言葉を学んでいく。

 はに丸たちの活躍だけでなく、すみれちゃんや神田くんが繰り広げる寸劇やミュージカルも随所に盛り込まれており、子どもたちが思わず夢中になるような魅力的な番組構成であった。

 筆者が初めて『おーい!はに丸』を見たのは幼少期のこと。大きなはにわが動く姿に、思わずギョッとした覚えがある。しかし、はに丸の声を担当しているのは、現在『ONE PIECE』の主人公・ルフィなどの声を担当するあの田中真弓さんだ。その高い声で「はにゃ?」と話すセリフはとても可愛らしく印象的だった。今でこそ着ぐるみを着た“ゆるキャラ”は珍しくないが、はに丸はその先駆けとも言える存在だろう。

 登場当初は「はにゃ?」の言葉しか喋れなかったはに丸だが、物語が進むにつれ多くの言葉を学び、すみれちゃんたちとコミュニケーションをとっていく。今見返してみると物語が進むにつれ、“ポストに入れることを覚えた!”などの成長が見受けられ、キャラを成長させるRPGのような面白さもあるように感じた。

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