■美女三姉妹の戦いが見どころ、3代目スケバン刑事・浅香唯さん
3代目スケバン刑事を演じたのは浅香唯さんだ。浅香さんは1986年から87年にかけて放送された『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』の主人公・風間唯を演じた。
本作は従来の『スケバン刑事』シリーズとは異なり、唯を含む風間三姉妹が忍者の末裔という設定であり、SF的要素が加えられた独特の演出が特徴である。
本作は、風間家の三姉妹が陰星とともに現れる忍者集団・“陰”と戦う宿命を背負う姿を描いた物語だ。金属製の折鶴を武器に、“折鶴の結花”として戦うのが長女の結花(大西結花さん)。次女の“リリアンの由真”こと由真(中村由真さん)はリリアン棒を、そして主人公である三女の唯はシリーズ王道のヨーヨーを武器に戦うが、登場当初は扱いに慣れておらず徐々に訓練を重ねて成長する姿も描かれていた。
この『スケバン刑事III』は、1988年に劇場版『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』も公開されている。本作で3姉妹は建物の3階あたりから海にダイブしたり、ジェットスキーのようなもので海上を引きずり回されたり、また戦車に対しヨーヨーをぶつけるだけで爆発させたりと、かなりぶっ飛んだアクションがあるのも見どころである。
■2006年に復活!4代目スケバン刑事を演じたのはあのアイドル
時を経てスケバン刑事は2006年に復活する。4代目スケバン刑事・麻宮サキを演じたのは松浦亜弥さんだ。松浦さんは劇場映画『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』の主人公少女・Kを演じている。
本作にはKの母親役として、初代スケバン刑事を演じた斉藤さんが出演しており、母娘でその宿命を受け継ぐというドラマチックな展開が描かれている。また暗闇機関の長門裕之さんもカメオ出演しており、昭和のスケバン刑事を知る人にとっては嬉しい演出となった。
それまでの『スケバン刑事』といえば、アイドルらしさを漂わせながらセーラー服で戦う姿が定番であった。しかし本作のバトルシーンは一味違う。
映像技術が昭和の時代と比べて格段に進化したこともあり、松浦さんがワイヤーアクションを駆使して繰り広げるダイナミックな動きが圧巻である。さらに本作では専用の戦闘スーツを身にまとい、ネット犯罪や爆弾テロといった現代的な敵に立ち向かうという新境地を開いている。
だが『スケバン刑事』ならではのお約束も忘れてはいない。ヨーヨーを武器に戦うスタイルは健在であり、往年のファンには懐かしさを与えると同時に、新たなファン層にも面白さをアピールできている。アイドル映画の枠を超え、昭和の名作を近代仕様にアップデートした本作は、世代を超えて楽しめる内容だと思う。
『スケバン刑事』は世代ごとに異なる魅力を持ち、初代から4代目まで幅広い展開が楽しめるシリーズだ。
主人公が変わるごとに味方キャラも増え、彼女たちが持つオリジナリティ溢れる武器やセリフも魅力的だ。ドラマチックで型破りな展開が、今なお色褪せない魅力として語り継がれる名作である。