■もっと不思議のダンジョン そして続編と進化は続く
不思議のダンジョンの地下27階まで降りると「しあわせの箱」を手に入れることができ、ようやくクリアとなる。だが、実はその後に「もっと不思議のダンジョン」という隠しダンジョンが待っている。
もっと不思議のダンジョンではアイテムの持ち込みはいっさいできず、強化した武器や盾は使えない。しかもこれまでなら手に入った瞬間に「これは薬草だ」とか「これはレミーラの巻物だ」とすぐにわかったのだが、もっと不思議のダンジョンでは「赤い草」とか「ヘビの絵の巻物」などと表示され、1回使ってみないと効果がわからないのである。
さらに難しくなったダンジョンに、「こんなのさすがに無理だろ!」と投げ出してしまいたくなる。だが、不思議なことに、これまで身につけたダンジョン攻略のテクニックの応用でクリアできてしまうのだ。そのあたりの難易度は絶妙で、難しいダンジョンを知恵と工夫、そして何回もダンジョンに挑みプレイヤー自身の「経験値」を上げていくことで乗り切ることができる。それがまさにこのゲームの醍醐味だったといえる。
以上、『トルネコの大冒険』の魅力を振り返ってきた。のちに『不思議のダンジョン』はシリーズ化され、『トルネコの大冒険』の続編もリリースされた。まだ、なじみのなかった特殊なゲーム性の作品がここまでヒットしたのは、ひとえに「トルネコ」というキャラがいたからこそといえるだろう。