漫画『ONE PIECE(ワンピース)』における重要アイテム「悪魔の実」。口にしたものは超人的な能力を使用できるようになり、四皇を含めた強者たちにも能力者は多い。
そんな中で、心身ともに悪魔の実の力を極限まで鍛え上げた能力者が達するステージを“覚醒”と呼び、能力にさらなる性質が追加される。
現在ではドフラミンゴやカタクリをはじめ、複数の強者が覚醒の段階に至っているが、読者が思っている以上に覚醒の域に到達したキャラは存在する。そこで原作派も案外知らない、意外な悪魔の実の覚醒者たちを紹介しよう。
■作中初出!? 動物系の覚醒者・インペルダウンの獄卒獣たち
海賊を含め、世界中の凶悪犯罪者を収容する大監獄「インペルダウン」には、当然のことながら監獄内の治安を維持するための強力な人員が存在する。その中で、LEVEL3以降の監獄の警衛を務めているのが「獄卒獣」と呼ばれる獣人たちだ。
作中ではミノタウロス、ミノコアラ、ミノゼブラ、ミノリノケロス、ミノチワワといった獄卒獣が登場。彼らは全員が動物(ゾオン)系の能力者であり、悪魔の実の力を覚醒させている。
脱獄中のクロコダイルは、彼らについて「異常なタフさと回復力が売りなのさ」と話しており、実際銃や砲弾にまったく動じないほどのタフネスぶり。ルフィのギア2、ギア3を織り交ぜた攻撃を受けても、ほんのわずかな時間で復活し、再び襲いかかるなど驚異の回復力も見せた。
それだけではなく身体能力も相応に向上しているのか、4、5メートルほどの巨体を持ちながら、六式の「剃(ソル)」を思わせる高速移動を披露。獲物の棍棒やモーニングスターで強烈な一撃を見舞うなどパワーも申し分ない。
動物系の能力者ゆえに、もともとは人間だと推測されるが、覚醒した彼らは人語を話していない。いずれも鼻水を垂らした姿で、人間らしさを失っているようにも見えた。のちに「動物系の実には意思が宿る」 という事実が判明していることから、獄卒獣たちは実が覚醒に至るとともに、意思を乗っ取られてしまったようにも見える。
エッグヘッド編にて、同じく動物系の悪魔の実を覚醒させたロブ・ルッチは、自我を保ったまま覚醒段階に至っていた。実の力を十分に扱えるだけの実力があれば、リスクなしにさらなる能力を得られるということなのだろう。
悪魔の実が覚醒段階に至ること自体まれなことだが、残念ながら獄卒獣たちは自我を保ったままその力を扱えるだけの力量がなかったのかもしれない。
■黄金を操る"黄金帝"! 王下七武海以上の権力を持つ男・テゾーロ
劇場版第13作目『ONE PIECE FILM GOLD』にてラスボスを務めた、世界最大のエンターテイメントシティ「グラン・テゾーロ」に君臨するカジノ王「ギルド・テゾーロ」。
世界の20%の通貨を掌握し、その財力で海賊だけでなく海軍や世界政府にまで影響力を持つという。そのため王下七武海に列席していないにもかかわらず、それ以上の権力を有するとされた。
触れた黄金を意のままに操る「ゴルゴルの実」の能力者で、黄金を触手のように操って拘束に用いたり、腕に纏って攻撃することも可能。その硬度は、鉄を軽々と切り裂くゾロの一太刀でも両断できないほどである。
グラン・テゾーロに入った人間には入場時に金粉を振りかけており、いつでも自由を奪えるように細工するなど、抜け目がない。
そんな彼の「ゴルゴルの実」の能力は覚醒段階にまで至っており、全長10キロに及ぶ巨大な船「グラン・テゾーロ」にあるすべての金を操ることができる。
また、彼の奥の手として、黄金を巨大な人型に変形させる戦闘巨体「ゴールデンテゾーロ」にもなれる。テゾーロ自身はゲッコーモリアがオーズを操ったときのように、腹部におさまって操作を行う。
劇場版限定のキャラではあるが、テゾーロが能力を覚醒させていたからこそ、ここまで高い錬度で黄金を操れたことを知らなかった人も多いのではないだろうか。