新たな年が始まった。2025年の干支は「巳年」であるが、巳年には蛇が脱皮を繰り返す様子から、“再生や変化を繰り返しながら発展していく”という意味合いがあるらしい。
そんな十二支の“蛇”だが、漫画やアニメ作品にも蛇に関連した個性的なキャラが多数登場している。漫画やアニメで活躍する、なんとも強烈な「蛇使いキャラ」たちについて見ていこう。
■変幻自在の攻撃で相手を追い詰める“蛇柱”…『鬼滅の刃』伊黒小芭内
2016年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始され、凄まじい人気から社会現象まで引き起こした吾峠呼世晴氏の代表作『鬼滅の刃』。主人公の少年・竈門炭治郎が“鬼”へと変えられた妹・禰豆子を救うため、鍛錬の果てに「鬼殺隊」へと入隊し、禍々しい“鬼”たちとの激闘を繰り広げていくバトル漫画の本作。
作中には“全集中の呼吸”と呼ばれる特殊な呼吸法がいくつも登場するが、なかでも“蛇の呼吸”を使いこなす猛者といえば、鬼殺隊の“柱”の一人である伊黒小芭内だろう。
伊黒は口元を包帯で隠した黒髪の男性で、左目が青緑、右目が黄のいわゆる“オッドアイ”が特徴的だ。そして“蛇柱”の二つ名を象徴するかの如く、オスの白蛇・鏑丸を首に這わせている。
個性的な“柱”たちのなかでもとくに気難しい伊黒。他人に対し嫌味や皮肉を述べることも多く、彼の話すシーンでは「ネチネチ」という擬態語が描かれるほどである。
一方で“柱”としての実力は本物で、うねった刃を持つ特殊な形状の日輪刀もさることながら、前述した“蛇の呼吸”を使いこなし相手を圧倒していく。
さらに伊黒は自身の関節の柔らかさを存分に活かし、ありえない角度から相手に襲い掛かる独自の太刀筋を実現。独特の体捌きと組み合わせたその攻撃はまさしく“蛇”……障害物の隙間すら潜り抜け、正確に相手の肉体を切り刻んでいくのだ。
戦闘力はもちろん、体格の差を補うための技を会得したり、状況判断能力に長けているなど、“柱”としての高い実力を発揮していた。また、作中では“恋柱”の甘露寺蜜璃との恋愛模様も展開されており、実に見どころの多いキャラクターである。
■戦いだけでなくギャグでもしっかり“蛇使い”…『魁!!男塾』鄧罦傑
数々の名作漫画を世に送り出してきた『週刊少年ジャンプ』(集英社)。なかでも、圧倒的な“熱さ”で人気を博したのが、1985年から連載された『魁!!男塾』ではないだろうか。
宮下あきら氏による本作は、全国各地から不良少年を集めた“男塾”を中心に各地で繰り広げられる強敵たちとの死闘を描いた熱血バトル漫画である。
個性豊かな闘法を身につけたキャラクターが多々登場する本作において、“蛇”を使うキャラクターといえば「天挑五輪大武會」決勝トーナメントにて登場した鄧罦傑(とうふうけつ)だ。
鄧罦傑はプロの秘密結社・宝竜黒蓮珠の主頭をつとめる男性で、長い髪と整った顔立ちが特徴的だ。いわゆるイケメンキャラである彼だが、なんと無数の“蛇”を自在に操る奇抜なスタイルの戦い方を得意としている。
拳の動作とともに蛇を相手にけしかけたり、蛇同士を連結させ凄まじい間合いを得るなど、遠近共に隙のない技で相手を苦しめていく鄧罦傑。
しかも彼が従えているのは“咬牻蛇(こうもうへび)”という特殊な蛇で、その毒は一噛みで巨像をも殺めてしまう凄まじいもの。わずかでも触れれば即致命傷になる技の数々は、まさに相手を絶望の淵に立たせるだろう。
そんな彼だが、仲間となってからはその高い戦闘能力で活躍。また、意外にも“蛇”を使ったダジャレや一発芸を披露するなどノリの良い一面も披露していた。
凄まじい戦闘力はもちろん、思わぬギャップをも秘めたなんとも魅力的なキャラクターだ。