■クリリンの死について口にしたフリーザ
最後は、フリーザが戦闘中に口にしたことを振り返ろう。悟空はクリリンが殺されたのを見て、覚醒して超サイヤ人になれた。サイヤ人は激しい怒りによって力を得るため、追い詰めれば追い詰めるほど危険な存在だ。
その後、超サイヤ人となった悟空によって追い詰められてしまったフリーザ。それでもフリーザは自分よりも強い存在を認めない。100パーセントの力を出せば、超サイヤ人になった悟空にも勝てるはずだと信じていた。
ここまで窮地に立たされる経験がなかっただけに、フリーザは苛立ちを隠せない。だからうっかり悟空を煽るようなことを口にしてしまった。それが、「あの地球人のように!!!!」というセリフで、悟空にクリリンの死をわざわざ思い出させたのだ。
それによって悟空はブチギレてしまい、神龍への願いによって地球にすぐに帰る選択もありえたのに、フリーザと決着をつけることにした。フリーザがあそこまで怒らせなければ、悟空が周りの説得に応じて引く展開もあったかもしれない……。
『ドラゴンボール』では、うっかりと口を滑らせてしまうキャラがけっこう多い。今回紹介したもの以外にも、悟飯がグレートサイヤマンの正体をビーデルの前で明かしてしまったり、悟空が(本来知らないはずなのに)トランクスの父親はベジータだと口を滑らせたりしていた。
もしかすると、強キャラは戦闘が得意だが細かい配慮が苦手……なのかも?