個性豊かな活躍で大いに物語を盛り上げてくれる、漫画に登場するキャラクターたち。ストーリーが展開するにつれ新たなキャラクターが登場するのも漫画の醍醐味の一つだが、なかには長期連載のなか、いつの間にかフェードアウトしてしまった意外な主要キャラクターも存在する。
思わず「この人誰だっけ?」と首をかしげてしまいがちな、途中退場したキャラクターたちを見ていこう。
■ついに再登場するも両津の評価は散々!?『こちら葛飾区亀有公園前派出所』戸塚金次
2016年に単行本が200巻に到達し「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」のギネス認定を受けた秋本治さんの『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。1976年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された本作は、今もなお多くのファンから“こち亀”の愛称で親しまれるコメディ漫画だ。
そんな本作でフェードアウトしてしまったキャラクターといえば、主人公・両津勘吉の同僚として登場した強面の警察官・戸塚金次だろう。
連載初期から登場していた戸塚は、丸刈り頭に顔の傷、背中に彫り込まれた刺青と、おおよそ警察官とは思えない強烈な出で立ちをしている。その性格の粗暴さやノリの良さが噛み合い、たびたび両津と一緒に馬鹿をしでかしていたが、連載が長期化するにつれ、本田や中川などに“両さんの相棒”ポジションを徐々に明け渡していくこととなる。
連載後半になると作中にほぼその姿は見られず、時折、ちょっとした端のコマに唐突に再登場を果たすなど、初期キャラクターでありながら長らく不遇な状態が続いていく。
そんな戸塚だが、古参ファンにとってはかなり人気の高いキャラクターで、30周年を記念しておこなわれた「復活してほしいキャラクター」の読者投票では堂々の1位を獲得。
ついにあの戸塚がメインキャラとして復活……かと思われたのだが、ランキング1位を祝した両津との対談では、“別に話すことはない”というまさかの発言が……。しかも両津からは「だいたいわしとキャラがかぶりすぎなんだよ! だから消えたんだぞ」と、なんとも痛烈な一言を食らってしまった。
実に締まらない再登場になってしまったが、ランキング1位を獲得し久々に両津と絡んだ戸塚の姿に歓喜したファンも多いだろう。
■普段は清楚可憐だが、くしゃみにだけはご用心…『ドラゴンボール』ランチ
いくつもの長期連載作品が生まれている『週刊少年ジャンプ』(集英社)だが、その圧倒的な人気から新たなシリーズが展開され続けている作品といえば、鳥山明さんの代表作『ドラゴンボール』だろう。
バトル漫画の金字塔ともいえる国民的人気作品なのだが、本作のなかでも、とあるメジャーキャラクターが、ある時期から知らず知らずのうちにフェードアウトしてしまっている。それが、主人公・孫悟空の幼少期に登場したランチだ。
普段は黒髪のおっとりとした美女なのだが、くしゃみをすると人格が激変。髪色は金髪に変化し、暴力的な言動をする乱暴な人格になってしまうのだ。悟空らと出会う直前も、なんと“強盗”をしたことで警察に追われていた最中であった。
悟空らに連れてこられてからはカメハウスの面々にも溶け込み、しばらくはレギュラーキャラの一人として活躍。レッドリボン軍を殴り飛ばしたり、天下一武道会に駆け付けたりと見せ場も多かった。
そんなランチだが「サイヤ人編」以降出番がなく、本編からフェードアウトしてしまうことに。気になるそのゆくえだが、原作第196話にて、彼女は5年前に天津飯を追いかけ、どこかへと旅立ってしまった……という衝撃の事実がクリリンの口から語られている。
その強烈な個性と愛くるしい容姿から人気の高いキャラクターだったが、あまりにも唐突な退場に戸惑ってしまったファンも多いだろう。