『眠れる森』に『ギフト』、『空から降る一億の星』にも…カッコいいだけじゃない! 大ヒットドラマで木村拓哉が演じた「意外な闇キャラ」の画像
木村拓哉  写真/ふたまん+編集部

 2024年12月30日に公開される、木村拓哉さん主演の劇場版『グランメゾン・パリ』。本作は2019年に放送されたTBSドラマ『グランメゾン東京』の映画となっており、公開前日の29日には完全新作スペシャルドラマでの続編も放送されるとあって、話題となっている。

 木村さんといえば、最高視聴率36.7%の伝説のドラマ『ロングバケーション』(1996年)、若者から絶大な支持を得た『ギフト』(1997年)、松たか子さんとの共演作で最高視聴率32.5%を記録した『ラブジェネレーション』(1997年)など、数々の名作で主演をつとめる言わずと知れた国民的スターだ。

 50代になっても“イケオジ”として若者からの支持も絶大。そんな木村さんは実は正統派イケメンの役ではなく、闇を抱えたミステリアスな人物も巧みに演じることができるのも大きな魅力だ。

 そこで、今回は木村さんのミステリアスな魅力が爆発している4作品を紹介していこう。

■『眠れる森』陰のある謎の青年・伊藤直季

 『眠れる森』は、1998年10月8日から12月24日までフジテレビ系で放送されていたサスペンスドラマだ。木村さんは中山美穂さんと共に主演をつとめた本作において、ミステリアスな男性の役を演じて演技力の高さを見せつけた。

 物語は中山さん演じる大庭実那子を中心に進んでいく。エリートサラリーマンの恋人(仲村トオルさん)との結婚式を3カ月後に控えていた実那子の前に、木村さん演じる伊藤直季が姿を現すように。それ以来、彼女の周囲で不気味なことが起こり始め、実那子が巻き込まれた15年前の事件が紐解かれていく。

 物語の前半、直季は正体不明の悪役のような描かれ方をしている。正統派の主人公を演じることが多い木村さんだが、この直季は実那子の脅威になるのではないかと思わせるほどに怪しく、得体の知れない恐怖すら感じさせる。

 初登場シーンから、直季はミステリアス全開だった。森のなかで静かにハンモックに揺られる直季。実那子と出会うとすぐに彼女をずっと見てきたと明かし「あんたは俺の一部だから」と言い放つのだ。妖しすぎる直季の姿に実那子はひたすら困惑していた。

 その後も、新居の向かいのマンションに引っ越してきたり、実那子の婚約者のもとに現れるなど、しつこく付きまとっていく直季だが、物語が進むにつれてその理由が明らかとなっていく。

 そして終盤、直季は実那子のために命がけで真相に近づいていく。そのなかで、身近な人に裏切られたり、騙されたりと大きく傷つく彼の姿に、若さと儚さを感じてしまう。

 本作は、重厚なストーリーと木村さんの演技が話題を呼び、最終回には30.8%を記録した。至る所に伏線があり、最終回まで徐々に明かされていく直季の正体や実那子との関係性も必見だ。

■『ギフト』カッコ良さと危険な魅力が融合した早坂由紀夫

 『ギフト』は、1997年4月16日から6月25日にフジテレビ系で放送された社会派ドラマだ。本作は木村さんの単独初主演連続ドラマとなった記念すべき作品でもある。

 木村さん演じる記憶喪失の青年・早坂由紀夫は、ギフトの配達をする“届け屋”として働いている。記憶を失った原因は不明で、分かっているのは「届ける」という行為に異様な執念を抱えていることだけ。さまざまな人とかかわっていくなか、やがて由紀夫の秘密が明らかになっていく……という物語だ。

 由紀夫の初登場シーンは衝撃的だった。彼は51億円という巨額の横領をしていた代議士の家のクローゼットで、一糸まとわぬ姿で血まみれ、意識を失った状態で発見される。

 そんな謎の青年・由紀夫を演じた木村さん。代名詞ともいえる長髪とファッションセンスに加え、時に感情を爆発させる激しい演技、危うさにも魅了されてしまう。

 恋愛ドラマが主流となっていた当時、社会派サスペンスドラマである本作は注目され、ドラマ初回の最高視聴率は23.0%と話題作となった。基本的には1話完結型のストーリーであったため、非常に視聴しやすい作品だったこともよかったのだろう。

 若かりし日の木村さんの中性的な美しさとミステリアスなカッコ良さが際立つ本作。脇を固める室井滋さん、篠原涼子さん、小林聡美さん、忌野清志郎さんなどの俳優陣も見応え満載。一見の価値ありだ。

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