バイバインだけじゃない…思わずゾッとする!?『ドラえもん』実は危険すぎる「恐怖のひみつ道具」の画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』(小学館)第1巻

 どこでもドアやタケコプターなど、便利な道具が次々と登場する『ドラえもん』。誰しもが、一度は「ひみつ道具があったら……」と妄想したことがあるだろう。

 だが、便利な道具がある一方で、「使って大丈夫?」と心配になる危険な道具もあったことを覚えている読者も多いはず。増やしたい対象に1摘垂らすと5分後に対象が倍になる「バイバイン」などはいい例で、パッと見は便利だが、対象を何らかの方法で消さない限り5分ごとに増え続け、2時間15分後には1億個以上になってしまうという危険きわまりない代物なのだ。

 作中ではのび太が栗まんじゅうを増やしてしまい、最終的にドラえもんがロケットで宇宙に送って事なきを得たが、その後の栗まんじゅうのことを考えると怖い……。今回は、「バイバイン」のような危険すぎるひみつ道具を振り返っていきたい。

■ドラえもんが持ってていいの?「地球破壊爆弾」

『ドラえもん』では「爆弾」がつく危険な道具がたびたび登場しているが、その中でも名前からして不穏な「地球破壊爆弾」は危険度が高い道具だ。

 登場回は「ネズミとばくだん」のエピソード。家の中にネズミが出てあまりの恐怖から、駆除の最終手段としてドラえもんが出したのが「地球破壊爆弾」。戦車を吹き飛ばす「ジャンボ・ガン」なども出していたが、もはや普通の兵器。このときは、焦ったのび太らがネズミは逃げていったと嘘をつき地球の破壊は防がれた。

 実際に使っていないため威力は未知数。爆弾に原子マークのようなものが書かれていることから、甚大な被害が出るのは間違いなく、危険度はかなり上位だろう。

 ちなみに、水田わさびさんバージョンのアニメでは、地球破壊爆弾の上をいくアニオリ道具「銀河はかいばくだん」が登場している。こちらもネズミ駆除のために出しており実際には使っていない。こうした危険な道具が、子守ロボットの四次元ポケットにしまわれているというのも、そもそも恐ろしい話ではあるかも。

■世界征服にピッタリの一品「世界変換マシン」

 “わさドラ”では「銀河はかいばくだん」同様、数々のアニオリ道具が登場した。特に恐ろしかったのが、「その日、すべてがネズミに!」に登場した「世界変換マシン」だ。

 このときも、家にネズミがでてパニックになったドラえもん。ネズミのいない世界を作ろうと、「世界変換マシン」を使用する。これは、マシンにキーワードを入力すると24時間で世界がキーワード通りに変わるというもの。

 24時間以内ならば取り消しできるが、悪意を持った人物が使った場合、使い方一つで恐怖の世界を作りあげることも可能な恐ろしい道具なのだ。しかも、マシンが動き出すと世界中の人々が気づかないうちにすべてを変えられてしまい、永遠に無自覚のまま操られていくのである。

 ちなみにドラえもんはこのとき、「すべて ネズミ 消去」と入れるところをミスして「すべて ネズミ」だけが読み取られ、世界中がネズミ人間になってしまった。何とか24時間以内に取り消しできたが、あまりにも不気味なエピソードだ。

■あらゆる悪事が許される「悪魔のパスポート」

 悪魔の顔と「PASSPORT OF SATAN」という言葉が書かれた「悪魔のパスポート」は、どんな悪事も許されるという、まさに悪魔のような効果を持つ最強の免罪符だ。個人的には、このひみつ道具が非常に怖い。

 登場したのは「悪魔のパスポート」というエピソードで、お母さんに怒られ逆ギレしたのび太が悪人になると豪語して四次元ポケットからこの道具を奪った。怒るドラえもんにパスポートを見せて服従させ、小さな悪事を働きだすのび太。しずかちゃんのスカートをめくっても「どうぞ」と許されジャイアンを殴っても許され満足感を得るが、心の優しい彼は罪悪感から自らパスポートを返した。

 のび太も言っていたが、これを使えばどれだけ殺人・強盗をしても罪に問われない。そして、パスポートを返しても起こした悪事はリセットされないので、死者も被害はそのまま。悪人の手に渡れば、世界中で残虐な事件が頻発するのは容易に想像がつく。

 悪意しか感じない道具だが、未来ではどう有効活用しているのか。そもそも、ドラえもんが焼いて捨てようと思っていたというほど危険なものがなぜ手にできたのか。謎は深まるばかりである。

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