■カイ・シデンの「その後」がここに! 『デイアフタートゥモロー』シリーズ
次に紹介するのはことぶきつかさ氏が描いた『機動戦士Zガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのレポートより-』や『機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー ーカイ・シデンのメモリーよりー』(KADOKAWA)だ。
タイトルの通り、アニメ『機動戦士ガンダム』で主人公「アムロ・レイ」とともにホワイトベース隊の一員として最後まで戦い抜いた「カイ・シデン」が主人公である。
アニメ『機動戦士Zガンダム』ではジャーナリストとして登場したカイの行動にスポットをあてた作品で、『カイ・シデンのメモリー』のほうはホワイトベース隊での戦いをカイが回想する内容になっている。
どちらの作品も、戦闘描写よりも人間ドラマが中心となっており、カイ・シデンという人物を深く掘り下げた物語だ。カイがジャーナリストとして大成していく中で、さまざまな人脈を形成し、そしてアニメ『機動戦士ガンダムUC』でカイが重要な役割を果たすことにもつながっている。
数々の戦いの裏側で、カイ・シデンという男がどのような行動をとっていたのか……。初代ガンダムのファンが、カイの魅力を再認識できるようなストーリーとなっている。
■宇宙世紀に躍動した伝説のエース「真紅の稲妻」はどんな人物だったのか
最後に紹介するのはArk Performance氏が手がけた『機動戦士ガンダム MSVーR ジョニー・ライデンの帰還』(KADOKAWA)だ。
タイトルになっている「ジョニー・ライデン」とは、一年戦争時に活躍したジオン軍のエースパイロットの名であり、ガンプラを作る人なら彼の名前がついた専用機に見覚えがあるかもしれない。
同作は、そんなジオン軍のエース「ジョニー・ライデン」と、彼が所属した部隊「キマイラ隊」の謎を追うというストーリーだ。
作品の舞台は宇宙世紀0090年で、アニメ『機動戦士ガンダムZZ』の直後にあたる。主人公の「レッド・ウェイライン」が所属する「F.S.S」とは地球連邦の外郭組織であり、シミュレーターのデータ内に残されていたゲルググの情報と「ジョニー・ライデン」というキーワードを元に調査を始める。
彼は、連邦やジオンの兵器を調査することが主任務であり、宇宙に機雷をバラまく「ボールM型」や、戦闘機を背負った「グフ複合試験型」といったマニアックな機体が登場する点も見どころだ。
「ジョニー・ライデン」はゲームなどにも登場し、ガンダム好きに名前自体は知られているが、どのような人物だったのか謎も多い。彼の謎に迫りつつ、映像作品でもおなじみのキャラや、マニアックなメカまで見られるこの作品は、ディープな宇宙世紀ファンにこそオススメしたい。
ガンダムシリーズは、富野由悠季監督が手がけたアニメ作品が原点であるのは間違いない。それゆえに外伝作品には抵抗があるというファンがいるのも事実だが、劇中の歴史や映像作品との整合性を踏まえたうえで綿密に作られた作品は一見の価値がある。作品や世界観についてもっと深く知りたいと思ったときは、宇宙世紀を舞台としたマンガ作品を手にとってみるのはいかがだろうか。