1979年から放送が始まったテレビアニメ『機動戦士ガンダム』は、放送から45年が経過した2024年現在でも新作が発表されるほどの人気コンテンツだ。その広がりはアニメだけでなく、小説やコミック、ゲームなど多岐に渡り、ファンでもすべてを追いかけるのは困難なほどである。
また、なかには『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(KADOKAWA)や『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(小学館)のように、マンガ作品からアニメ映像化されるケースも見られる。
そこで今回はアニメ化はされていないものの、宇宙世紀を舞台にしたガンダム関連の傑作マンガを紹介したい。
■連載開始から30周年! 根強い人気を誇る『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズ
まずは、長谷川裕一氏が手がける『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズ(KADOKAWA)だ。ガンダム関連のコミック作品の中でも、特に知名度が高い作品ではないだろうか。それもそのはず、同シリーズの連載が始まったのは1994年12月で、今年2024年でなんと連載開始から30周年を迎える。
「クロスボーン・ガンダム」シリーズが人気を得ている理由のひとつとして、外伝作品の少ない宇宙世紀0130年から0170年のあたりを描いている点が挙げられるだろう。
同シリーズを大まかに分けると、『機動戦士ガンダム F91』と『機動戦士Vガンダム』の間を描いた『機動戦士クロスボーン・ガンダム』『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』、そして『機動戦士Vガンダム』と同時代を描いたのが『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』、さらに『Vガンダム』以降の世界を描いた『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』となる。
そして『クロスボーン・ガンダム』では、映画『機動戦士ガンダム F91』の主人公シーブック・アノーが「キンケドゥ・ナウ」を名乗り、「クロスボーン・ガンダムX1」のパイロットとして活躍する。
宇宙海賊となったキンケドゥとともに戦うのが、同作の主人公「トビア・アロナクス」だ。トビアは、少しずつニュータイプとしての素養を開花させ、やがてキンケドゥからクロスボーン・ガンダムX1を譲渡されることになる。
『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』の主人公、メカオタクの「フォント・ボー」は、エンジェル・ハイロゥのデータを入手したためにザンスカール帝国から追われる身となる。彼はニュータイプではないが、知略をめぐらせて、欠陥機だった可変モビルスーツ「ファントムガンダム」に乗って戦う。
『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』は、『機動戦士Vガンダム』の「その後」を描いた作品で、コロニー同士が争う荒廃した世界をたくましく生きる青年「アッシュ・キング」が主人公。その乗機「アンカー」はサナリィの試作型モビルスーツ「F89」をベースに、ありあわせのパーツで組み上げられたレストア機体だった。
『機動戦士ガンダム F91』や『機動戦士Vガンダム』の後が描かれたシリーズであり、長谷川裕一氏ならではの熱い展開が最大の見せ場だ。また、このあたりの時代を描いた外伝ストーリーは貴重なので、F91やVガンダムが好きだった人にもオススメしたい。