『トバルNo.1』に『チョコボの不思議なダンジョン』にも…体験版だけじゃない!初代プレイステーション「同梱おまけディスク」の思い出の画像
『チョコボの不思議なダンジョン』©1997 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.(スクウェア・エニックス公式サイトより)

 1994年にソニー・コンピュータエンタテインメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)より発売されたプレイステーション(PS)は、数々の名作タイトルを世に送り出したゲームハードだ。

 ゲームソフトはカートリッジからCDの時代へと移り変わったが、当時、ゲームのディスクとは別に、さまざまな追加コンテンツを楽しむことができる「おまけディスク」が同梱されているものも少なくはなかった。新たなゲームの体験版や、既存ゲームをより盛り上げる追加要素など、その内容も実に多岐にわたる。

 そこで初代プレイステーションの時代に、一風変わった仕掛けの数々でプレイヤーたちを楽しませた“同梱おまけディスク”の思い出を振り返っていこう。

■あの超有名RPG作品の体験版が…『トバルNo.1』

 数々の有名RPG作品を世に送り出したスクウェア(現:スクウェア・エニックス)が手がけたのが、3D対戦型格闘ゲームの『トバルNo.1』(1996年)だ。

 『バーチャファイター』や『鉄拳』シリーズなど有名格闘ゲームにかかわるスタッフが開発を担当、キャラクターデザインを人気漫画家の鳥山明さんが担当するなど、非常に豪華なキャストが集結した一作となっている。

 奥深い操作性、充実したゲームモードを備えているなど作品自体も非常にハイクオリティなのだが、当時話題を呼んだのが本作に同梱された「おまけディスク」の内容だった。

 『SQUARE’S PREVIEW』という名の同梱ディスクには、スクウェアが開発中であった作品のムービーや、体験版が搭載されていた。

 なかでも当時のプレイヤーたちを強く惹きつけたのが、翌年発売されることになる『ファイナルファンタジーVII』の体験版だろう。同社が手掛ける大人気RPGシリーズの7作目で、体験版では3Dポリゴンで表現されたオープニングムービーや壮大な音楽はもちろん、実際に最初のダンジョンである“壱番魔晄炉”をクリアするところまでを遊ぶことができ、次世代の『FF』が放つ魅力の数々を存分に体験することができる。

 さらにこの同梱ディスクでは、のちに発売される『ファイナルファンタジータクティクス』、『サガ フロンティア』といった名作タイトルのムービーの視聴もできた。スクウェアがこれから世に送り出そうとする“力作”の数々には、とにかく圧倒されてしまった。

 スクウェアというメーカーの怒涛の勢いを存分に感じることができる、“おまけ”としてはボリューム満点すぎる貴重な同梱ディスクであった。

■最強データの数々はまさに反則級?『チョコボの不思議なダンジョン』

 PS全盛期に数々の名作RPG作品を世に送り出したスクウェアにあって、1997年に発売された『チョコボの不思議なダンジョン』も、その高いクオリティで多くのファンを魅了した一作だ。

 ご存じ『FF』シリーズのマスコットキャラである「チョコボ」を主人公に、限られたアイテムのみを所持してダンジョンを攻略していく“ローグライクRPG”。その高い人気から、のちにシリーズ化もされている。

 そんな本作に同梱されていたのが、『不思議なデータディスク』という名の「おまけディスク」だった。『ゼノギアス』の体験版や、『パラサイト・イヴ』、『双界儀』といった、同社が手掛ける新作ムービーを楽しむことができる。

 しかもそれだけではない。この「おまけディスク」には、数々の名作タイトルで使うことができる特殊なセーブデータが同梱されていたのだ。

 『ファイナルファンタジーVII』や『サガ フロンティア』など有名作品のセーブデータをダウンロードできるのだが、そのどれもが反則級の「強化データ」となっていた。本来、ゲームをプレイする上ではまず味わうことのできない、凄まじい状態を体験できることに驚いた。

 キャラクターのレベルやステータスがカンストしているなんてことは当たり前。あらゆるアイテムをフルに所持していたり、隠しキャラがあらかじめ解放されていたりと、まさにやりたい放題……夢のようだった。

 この「強化データ」を使い、一度クリアした過去の名作をあらためてプレイしてみた、というプレイヤーも多かっただろう。

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