■4人パーティで隊列を表現

 ドラクエは『1』では1人旅であったが、『2』では3人旅となり、『3』では4人での旅になった。パーティ戦闘自体は『3』が初めてではないものの、『3』から画期的なシステムが導入されていた。それが4人パーティで隊列を表現したということだ。

 どういうことかというと、『2』では、敵が攻撃してくるキャラは完全にランダムであったが、『3』では先頭のキャラほど狙われやすく、一番後ろのキャラほど敵に狙われにくいという仕様になったのだ。

 これにより耐久力のある戦士や勇者に隊列の1番目や2番目を任せ、敵の攻撃を耐えながら、4番目に打たれ弱い魔法使いを配置して呪文で攻撃するという作戦が成立するようになった。

 並び順で敵からの狙われやすさを変えることによって、前衛向きのタイプと後衛向きのタイプというキャラの個性を引き立たせることができるようになった。

 敵によっては隊列に関係なくランダムに攻撃を仕掛けてくる敵もいるので、必ずしも後列が安全というわけではない。だが隊列の要素により、僧侶や魔法使いは後ろに、重厚な鎧などを装備する戦士を前にといった、実際にパーティが戦っていることがなんとなく想像できた。あまり触れられることはないが『3』から採用された画期的なシステムと言っていいだろう。

 ストーリーといい、システムといい、音楽といい、まさにRPGがひとつの完成形を迎えた作品がこの『ドラクエ3』だったと言っても過言ではない。

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