尾田栄一郎氏による人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』には、敵味方を問わず魅力的なキャラクターが多数登場する。そのなかひとりが、世界中の剣士の頂点に立つ「ジュラキュール・ミホーク」だ。
通称“鷹の目”とも呼ばれる彼は元王下七武海のひとりであり、恐れられている賞金首でもある。その懸賞金は「35億9000万ベリー」と四皇のメンバーと同等のレベルで、圧倒的な強さと知名度を兼ね備えている。
しかし、海賊団を率いているわけではないミホークは、何を目的に行動しているのかよく分からない。彼にはどのような過去があり、いったい何を目指しているのか……。「鷹の目のミホーク」の正体をあらためて掘り下げてみたい。
●世界一の剣豪“鷹の目”ミホークとは?
剣の道を進む者なら知らぬ者はいない、世界一の剣豪として名を馳せたミホーク。整えられた口ひげにモミアゲ、そして“鷹の目”の由来となった独特な瞳と鋭い目つきが特徴だ。
常に冷静沈着で冷酷な一面も持っているストイックな武人だが、意外と好戦的な面を持つ。片腕を失う前の四皇シャンクスとはライバル関係で、実力はほぼ互角だったようだ。
また、めったなことでは他人を認めないが、一度認めた相手には甘いところもあり、意外と人間味あふれる部分も持ち合わせている。
そんなミホークの愛刀は、“最上大業物12工”に数えられる黒刀の「夜」。世界一の剣豪が持つのにふさわしい名刀で、クリーク海賊団の巨大ガレオン船をいともたやすく両断。頂上決戦では、たった一振りで巨大な氷塊を真っ二つにしている。
●過去の大まかな動きをおさらい
作中にミホークが初登場したのは「東の海(イーストブルー)」編のこと。50隻を率いる首領・クリークの艦隊を、「ひまつぶし」という理由でたったひとりで壊滅させ、逃げるクリークたちを追い回していた。
そのときロロノア・ゾロと出会い、剣を交える。最初はゾロを格下に見ていたものの、敗れた彼の剣士としての覚悟を気に入り、満足してグランドラインへと帰っていった。クリークのことは無視して帰ったことから、本当にひまつぶしが目的だったようだ。
その後、マリンフォードでの頂上戦争では、王下七武海の召集に応じ、海軍側として参戦。白ひげ海賊団の幹部たちと互角以上の戦いを繰り広げ、一目置いているルフィも狙ったが周囲の海賊に阻止された。
この頂上戦争後は、拠点にしていた「シッケアール王国」跡地の居城に引きこもり、バーソロミュー・くまの「ニキュニキュの実」の能力によって飛ばされてきたゾロと再会を果たす。
力不足を痛感したゾロは恥を忍んでミホークに頭を下げ、剣の指導を乞う。それを受け入れたミホークは、ゾロ、そして彼と同じくくまに飛ばされてきたペローナとの奇妙な同居生活を送った。
●共同生活から判明した意外な姿
扉絵シリーズ「世界の甲板から 5億の男編 Vol.17」では、ミホークが麦わら帽子をかぶり、農作業中に休憩しているシーンが描かれている。それもペローナと仲良くオニギリを頬張り、自由気ままに暮らしている様子が見て取れる。
世界最強の剣士と呼ばれ、四皇並みの懸賞金をかけられた猛者ながら、その姿は農業に精を出す生真面目な人物にしか見えない。また弟子入りを認めたゾロはともかく、勝手に城に居着いたペローナの世話までするなど、面倒見の良さも見逃せない一面だ。