■「合身! ダ~イア~ポロ~ン」合体ロボットの中で搭乗者がなぜか巨大化? 『UFO戦士ダイアポロン』

 70年代は空前のUFOブームと同時に、ドラマやCMなどではNFL(アメリカンフットボール)ブームの影響を受けた作品が多かった。『UFO戦士ダイアポロン』(1976年より放映)は、その両方を取り入れながら、こと合体に関しては独自路線を突っ走った全26話の作品だ。

 孤児院で育ったタケシは謎の男ラビにより、自身がダザーン総統率いる軍団に滅ぼされたアポロン星の王子であることを知らされる。しかも自身の体内には、宇宙規模のエネルギーを解放する端末「キー・エナルジー」が埋め込まれているという。

 こうしてタケシは、ダザーン軍団による地球侵略を阻止するため、巨大メカ「ダイアポロン」に変身して戦うことになるのだ。

 合体までのプロセスは次の通りだ。タケシが「クリアー・イン」と叫びながらUFO型の戦闘機「スペース・クリアー」に搭乗する際、アメフト選手のようなコスチュームになる。

 そして「ヘッダー」「トラングー」「レッガー」という3体のアポロンロボを呼ぶと、UFOごとタケシはヘッダーに収納。続けて「不要部分、収納」という直球すぎるセリフとともに、3体のロボットの手足や上半身などが収納され、「接合(合体)」のセリフとともにドッキングするのだ。

 ここからが驚きなのだが、タケシが「合身!」と叫ぶと、合体ロボ「ダイアポロン」の内部にいるタケシの体は、機体(外側)と同じ大きさに巨大化して合身(合体)完了となるのだ。

 つまりタケシはダイアポロンを「操縦する」というより、ダイアポロンに「変身する」といったほうがしっくりくる。

 なお、合体ロボの内側にタケシの体がぴっちりハマるほど巨大化するため、個人的には乗っていたUFOやロボットの接合部分がどうなったのか大変気になった。

 そんなトンデモ合体ならぬ、“トンデモ合身”な本作だが、日本のロボットアニメにおいて、初めて「複数の人型ロボットによる合体」で巨大ロボになった、記念すべき作品でもある。

■「セットガード・プロテクション!」通称"マトリョーシカ合体"が衝撃だった『闘士ゴーディアン』

 最後に取り上げるのは、ロシアの民芸品「マトリョーシカ人形」のようにロボットが順々に収納される合体方式が斬新だった『闘士ゴーディアン』(1979年から放映)だ。

 天変地異により地球の文明は崩壊し、人々は復興をはじめる。しかし、その混乱に乗じてドクマ大帝統が率いる謎の秘密結社「マドクター」が各地を襲撃。それを阻止するため防衛部隊・メカコン隊員の「ダイゴ大滝」は、3体のロボットで構成される合体ロボ「ゴーディアン」で戦うというストーリーだ。

 そして本作の合体シーンもかなりトンデモない。最初にダイゴは、人間より少し大きめの小型ロボ「プロテッサー」を着るようなかたちで中に入る。ダイゴが入ったプロテッサーを、続いて中型ロボ「デリンダー」が収納する。最後は大型ロボ「ガービン」にデリンダーが収納され、合体ロボ「ゴーディアン」が完成するのだ。

 まるでマトリョーシカ人形のような合体シークエンスだが、「ガービン」に収納された「プロテッサー」と「デリンダー」のメカ的要素はまったく表に出ていない。つまり最終形態である「ゴーディアン」とは、大型ロボ「ガービン」の姿のままなのだ。

 それにダイゴは、とてつもなく大きい鎧(ロボ)を何枚も重ね着したような状態のため、腕も足もぴっちり固定されているはず。そのため筆者は『ゴーディアン』が動くたびに、「プロテッサー」の中でダイゴの手足の関節は大変なことになっているのでは……と彼の身を案じていた。

 奇想天外かつ、ツッコミどころ満載だった昭和のトンデモ合体ロボ。放映当時は子どもだったため、少々おかしな描写も気にせず、作品が持つパワーとおもしろさに夢中になり、毎週テレビの前にくぎづけになっていた。

 その後も、5体のライオン型ロボットが合体する『百獣王ゴライオン』や、主人公が入ったロボットを収納して合体する『六神合体ゴッドマーズ』、小学校の校舎がロボットに変形合体する『熱血最強ゴウザウラー』など、多種多様な魅力的な「合体ロボ」が登場している。

 皆さんは、インパクトあふれる合体ロボといえば何を思い浮かべるだろうか。

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