ギンガイザー、ダイアポロン、“マトリョーシカ合体”ゴーディアンも…視聴者を驚かせた「昭和ロボットアニメ」衝撃の「トンデモ合体」シーンの画像
「超合体魔術ロボ ギンガイザーDVD-BOX デジタルリマスター版【想い出のアニメライブラリー 第73集】」(ベストフィールド)

 昭和のアニメには、実験的かつ意欲的な作品が数多く見られた。なかでも「ロボットアニメ」は、当時の制作側が趣向を凝らした「変形&合体」が見もので、我々昭和キッズを夢中にさせたジャンルだ。その魅力は今もなお色あせることなく、現代によみがえるケースも少なくない。

 10月18日から公開された実写化映画『ボステスV レガシー』は、日本のアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』(1977年より放映)をこよなく愛するフィリピンでリメイクされた作品だ。

 日本のみならず、海外の人々も魅了して止まない「合体ロボットアニメ」。子どもの頃、親から「どうして最初から合体ロボットで戦わないんだ?」と茶化されても、作中に登場する博士のトンデモ理論を信じ込み、野暮な質問には無視を決めこんで番組を楽しんだものだ。

 あふれんばかりのパワーを秘めた昭和の合体ロボットアニメではあるが、ファンであってもさすがに驚きを隠せなかった作品も存在した。

 そこで今回は、個人的に今の若い人や海外の人にも知ってほしいと願う、インパクトあふれる合体シーンをピックアップ。多くの視聴者の度肝を抜いた昭和時代の合体ロボを振り返りたい。

■「ブローアップ・ギンガイザー!」遊園地のアトラクションが変形合体? 『超合体魔術ロボ ギンガイザー』

 乗り物の変形ロボといえば、1984年に米国で玩具として登場した『トランスフォーマー』が有名だ。しかし、その7年も前に、車や遊園地のアトラクションを変形&合体させたのが、1977年より全26話(未放映分を含めると全28話)が放映された『超合体魔術ロボ ギンガイザー』だ。

 地底より蘇ったサゾリオン帝国から地上を守るため、「超常マジック」という超能力を用いる主人公・白銀ゴローら4人の若者たちがそれぞれメカを操り、合体メカ「ギンガイザー」で戦う物語である。

 本作は出動シーンからすでに独特で、4人でらせん式滑り台を降りていく様子はとてもシュール。さらに、ふたり一組で両手を合わせて「レッツ、テレポート!」のかけ声とともに機体に“テレポート”搭乗するのが印象的だった。

 ふだんは遊園地にカモフラージュした「マジカルベース」を本拠地としているためか、変形する乗り物もかなり斬新。ゴローが操縦するメカ「グランファイター」は、超常魔術団として各地を巡業する際に乗るトレーラー「銀河号」が変形したものだ。

 続いて、南三太が搭乗する「スピンランサー」は室内型アトラクション“マジックUFO”が変形。荒波トラジローが乗る「ブルゲイター」は、ジャンボコースターが変形してロボになる。一風変わっているのが秋津ミチの搭乗機「アローウィング」だが、前述した3機からそれぞれ分離……要するに余ったパーツが合体し、“支援戦闘機”になるのだから無駄がない。

 さて、アローウィング以外はそれぞれ巨大ロボなワケだが、作品タイトルの「ギンガイザー」は、敵にトドメを刺すときに登場する。その合体は、ゴローのグランファイターの上に他の3機が“乗っかる”かたちで強引に行われる。

 そこから右手に装備された巨大な回転ノコギリをグルグル回しながら、あまりにも物騒な「超常スマッシュ!」という“体当たり”で敵を倒すというトンデモぶりであった。

 余談ではあるが、本作が放映されていた70年代の日本は、オカルトやUFOなど超常現象が大ブーム。作中に登場する超常魔術団やテレポート、UFOなどは、こうした流行を取り入れたものである。

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