■津田健次郎が「刺激を受けた」エンタメ作品とは
――津田さんの活動に影響を与えたエンタメ作品はありますか?
津田 アニメなら『AKIRA』が大好きですね! 初めて観たのは学生時代だったと思います。もともとSFものは好きだったんですが、もう別次元のかっこよさでした。たとえば、当時って「漢字がかっこいい」って日本人の誰も思わなかったと思います。それが、あの赤いバイクに「成田山」というステッカーが貼ってあるのを見て「漢字ってかっこいいんだ!」と。そう感じさせることって、すごいなと思ったんです。
――たしかに細部にかっこよさがみなぎっています。
津田 憧れましたね。その流れで、松本大洋先生の作品にも同じようなかっこよさを感じました。『カブ Super Cub』という漫画がありますが、それまで日本人がどっちかというと「かっこわるい」と思っていたコンプレックスのようなものを凌駕した感じがするんですよね。金田のバイクも日本製でしょうし、「日本のバイクってかっこいいじゃん!」みたいな。
――西洋への憧れ以上の、日本のかっこよさを再認識させたんですね。
津田 そう。それまで西洋で作り出してきたSFの概念と違うといいますか。日本からしか発信できない作品だとも思っています。だからこそ、凄みすら感じるんでしょうね。本当にリスペクトしています。
――ご自身のクリエイティビティも触発された感じでしょうか。
津田 めちゃくちゃ触発されますねー! マンガ版もまたアニメ版とは違ったかっこよさがありますし。こういう作品が残せたら、もう死んでもいいと思えるくらい(笑)、いまもリスペクトしています。
――『AKIRA』はグッズもたくさんありますが、コレクションしていますか?
津田 山ほどありますからねー、集めないようにしているんです。集めるといっぱいになっちゃうから(笑)。最近は大友克洋先生の全集も出ていますし、SupremeのコラボTシャツとか、すごい値段がついていますからね。
――チェックはしているんですね(笑)。
津田 そうですね(笑)。とにかくかっこいいですから。『AKIRA』は本当に、別世界に連れていってくれる作品です。
【作品紹介】
アニメ『魔王様、リトライ!R』
大野晶は自身が運営する「INFINITY GAME」内のラスボス「魔王・九内伯斗」にログインしたまま、異世界へと飛ばされてしまう。そこで出会った謎の少女「アク」や聖女「ルナ」などのGAMEの配下や異世界で出会った仲間たちと共に着々と異世界での地盤を固めた彼は、現実世界に戻る術を探すべく新たな旅へ踏み出した。「魔王」を中心とした物語が再び動き出す……!
★TOKYO MXほかで現在放送中!
■原作:神埼黒音・身ノ丈あまる(双葉社 モンスターコミックス)
■監督:古賀一臣
■キャスト:津田健次郎、麻倉もも、和氣あず未、野口衣織(=LOVE)、鈴木愛奈ほか
(C)神埼黒音・身ノ丈あまる/双葉社・「魔王様、リトライ!R」製作委員会