『大きな古時計』に『ねこふんじゃった』、『ドナドナ』も…実は『みんなのうた』がきっかけで広まった「童謡の名曲」たちの画像
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 今年65周年を迎えた『おかあさんといっしょ』とともに、NHKの長寿番組として愛されている『みんなのうた』。令和の今も新しい曲が次々と発表されたり、懐かしの曲が再放送されたりと見る人を楽しませている。

 有名アーティストたちが歌う豪華な曲も放送されることから、大人が見ても見応えがある『みんなのうた』。実は誰もが知る童謡のなかにも、『みんなのうた』がきっかけで広まった曲がある。今回はそんな名曲たちをご紹介していこう。

■おじいさんと時計との絆にほろり…『大きな古時計』

 切ない名曲として歌い継がれる『大きな古時計』は、おじいさんが生まれた朝に買ってこられた“大きなのっぽの古時計”が主人公だ。おじいさんとともに人生を生きたこの古時計は、おじいさんが天へと旅立つのをベルで知らせたあと、動かなくなってしまう。

 この切なくも美しい『大きな古時計』は、アメリカの作曲家であるヘンリー・クレイ・ワークさんによって作られたものだ。アメリカでは広く親しまれていたこの曲は、作詞家として活動していた保富康午さんが訳詞をつけ、1962年に『みんなのうた』で放送され、日本でも広まっていった。

 その後、教育番組や音楽の教科書でも取り上げられるようになり、令和の今も不朽の名曲として歌い継がれている。

 近年では、2002年に平井堅さんがカバーしたのをきっかけに、さらに大ブレイクを果たした。同年、『みんなのうた』でも放送されている。

 バラードとしての完成度も高く、“童謡”という枠にハマらない名曲の1つだ。

■思わずピアノで弾きたくなる!?『ねこふんじゃった』

 一見すると衝撃的なタイトルの『ねこふんじゃった』。作曲者不明のこの曲は、ピアノ初心者でも弾きやすいことから、一度は弾いてみた経験がある人も多いだろう。

 『みんなのうた』では、1966年に詩人・児童文学作家の阪田寛夫さんが歌詞をつけ、放送されている。

 画面のなかを白黒でコミカルに動き回る猫と、東京放送児童合唱団の子どもたちの可愛らしい歌声も印象的。天地総子さんと子どもたちとのハーモニーも美しく、シンプルな構成ながら聞き応えのある一曲になっている。

 ちなみに白黒の猫のイラストは、日本が誇るイラストレーターの和田誠さんが手がけており、見どころである。

 誰もが一度は耳にしたことがあるであろう『ねこふんじゃった』。『みんなのうた』で生まれた曲であることを知り、驚いた人も多いのではないだろうか。

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