■中央アジアにて青い巨星「ランバ・ラル」と激突
太平洋を抜けたホワイトベース隊は、モンゴルのゴビ砂漠でジオン軍の青い巨星こと「ランバ・ラル」と戦闘を繰り広げる。ガンダムのパイロット、アムロ・レイの活躍もあり、ラルが駆るグフを撃破した。
しかしラルは諦めず、アジアとヨーロッパの境界にあるカスピ海付近でホワイトベースに白兵戦での奇襲を敢行。これも失敗に終わり、青い巨星は戦死した。
中央アジアはジオン軍が最初に降下したエリアで、宇宙に物資を送るための重要拠点であるカザフスタンの「バイコヌール基地」などがある場所だ。
また作品は異なるが、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の舞台となったのも東南アジアおよび中央アジアで、時期的には10月から11月あたりのことである。
アムロたちがランバ・ラルと戦っているのと同じ頃、『08小隊』の主人公「シロー・アマダ」たちも近くで戦っていたことになる。
■連邦による大反攻作戦「オデッサ作戦」が行われたヨーロッパ戦線
そして宇宙世紀0079年11月、ランバ・ラル隊を退けたホワイトベースに、地球連邦軍の総司令「レビル将軍」からヨーロッパ戦線における大反攻作戦「オデッサ作戦」への参加命令が下される。
その作戦をスパイによる情報で知ったオデッサ基地の司令官「マ・クべ」は、ジオン軍のエース部隊「黒い三連星」に最新鋭モビルスーツ・ドムを託し、ホワイトベース隊の撃破を命じた。
このとき補給部隊を率いた「マチルダ・アジャン」らの尊い犠牲を出しながら、ガンダムとホワイトベースは黒い三連星を撃破。その後、マ・クべ率いるジオン軍も敗北し、オデッサ近辺の一大資源地域は連邦に奪還されることとなる。
そしてホワイトベース隊は大西洋を抜け、南米ジャブローへと向かう。ジムなどのモビルスーツを大量投入する連邦軍に地球上のジオン軍は押し返され、戦いの舞台は宇宙へと戻ることになる。
最新作『復讐のレクイエム』の舞台は、宇宙世紀0079年11月。オデッサにほど近い「ルーマニア」となっており、オデッサ作戦の裏側で起こった戦いが軸となっている。
ジオン軍は主戦場のオデッサに戦力を総動員しており、主戦場から少し離れた地域で起こった出来事が『復讐のレクイエム』に描かれているのだ。アニメ『機動戦士ガンダム』で描かれた地球での戦いの流れや、両軍の状況まで知ったうえで観ると、作品がより楽しめるのは間違いないだろう。