漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の主人公「モンキー・D・ルフィ」は、悪魔の実である「ゴムゴムの実」を食したことで、体がゴムのように伸びるゴム人間となる。その力を成長させ、今や新世界で覇を競う四皇の一角にまでのぼりつめた。
だが、彼が食べた悪魔の実のもうひとつの名前が「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル“ニカ”」と判明。世界政府が800年も追い続けた、伝説の悪魔の実だったのだ。
世界各地の名のある海賊を撃破するうちにルフィの懸賞金は上がっていったが、そもそも「ゴムゴムの実」の能力者と分かった段階で、「世界政府が警戒しなかったのはなぜなのか?」という疑問が残る。
そこで伝説の悪魔の実を食べたルフィが、どうして世界政府から見過ごされていたのか、その理由について考察してみよう。
■“英雄”ガープの孫にして、“革命家”ドラゴンの息子という血筋が影響?
破天荒かつどこまでも自由なルフィの行動には毎度驚かされるばかりだが、その出自についても驚くべきものだった。
ルフィの祖父は“海軍の英雄”と呼ばれる伝説的な海兵「モンキー・D・ガープ」であり、父は“世界最悪の犯罪者”として知られる「モンキー・D・ドラゴン」である。
しばらくの間、世界政府がルフィに手出ししなかった理由は、その血筋が関係したのだろうか。
ルフィがインペルダウンで騒動を起こした際、当時の海軍元帥だったセンゴクは、ガープに対し「貴様が海軍の英雄などと呼ばれていなければ!!」「一族全ての責任を取らせる所だがな!!!」と発言していた。
世界政府と関わりの深い海軍は、ルフィやドラゴン、ガープの関係性をしっかり把握しており、このセリフから海軍の英雄と呼ばれるガープは、海軍内において一目置かれていることが分かる。
また、ウォーターセブンにてセンゴクの命を受けたガープが、ルフィの拿捕に動いた場面もあった。しかし、見事にルフィが新たな船「サウザンドサニー号」で逃げ切ると、ガープは大笑いしながら「さすがはわしの孫じゃ!!!」と誇らしげな様子だった。
こうしたガープの言動を振り返ると、海軍にとって本来は敵であるはずの海賊ルフィに対して、どことなく甘さを感じてしまう。もしかすると、海賊になったばかりのルフィを海軍内部で守っていたのは、ガープだったとは考えられないだろうか。
そしてルフィを守ったといえば、父のドラゴンにも同じことが言える。ローグタウンにてルフィが海軍のスモーカーに捕まりそうになった時、突如現れたドラゴンが逃亡の手助けをした。
このときのドラゴンの行動は、単なる偶然ではなかったことが1102話で明かされている。ドラゴンはあらかじめローグタウンに行くことを告げ、海軍のスモーカーの管轄であることも確認していたのだ。
両名とも、ルフィが口にした悪魔の実の真の正体まで把握していたかは不明だが、駆け出しの頃のルフィを彼らが守っていたという話はありうるのかもしれない。