“若手俳優の登竜門”として知られる『仮面ライダー』シリーズ。多くの場合、主人公ライダーや2号3号ライダーに変身するイケメン俳優が注目されがちだが、その陰でサポートキャラとして活躍し、のちに大ブレイクを果たした俳優たちも少なくない。
そこで今回は、“変身しない登場人物”として『仮面ライダー』シリーズに出演し、その後ブレイク、今や映画やドラマで引っ張りだこな人気俳優たちを振り返っていく。
■仮面ライダーと共同生活する駆け出しライター『仮面ライダー剣』白井虎太郎役・竹財輝之助
最初に紹介するのは、『篤姫』や『鎌倉殿の13人』といったNHK大河ドラマにも出演し、最近でも次々と話題作に出演している俳優の竹財輝之助さんだ。
竹財さんは、2004年『仮面ライダー剣』で俳優デビュー。演じた白井虎太郎(しらいこたろう)は、ノンフィクションライターとして剣崎一真/仮面ライダーブレイドに接触し、取材を条件に共同生活をすることになるちょっと調子の良いキャラだった。
その後、虎太郎は本作の怪人であるアンデッドの出現を知らせたり、ときには変身ベルトを届けるなど、自身は変身しないものの、剣崎たち仮面ライダーのサポート役として活躍した。
危険な目に遭いながらもライダーたちを支え続けた、ちょっとお人好しな虎太郎。一方、演じた竹財さんはその後、その甘いマスクを逆に活かせるアクの強い役に起用されることも多かった。
今年2024年も『夫の家庭を壊すまで』『そんな家族なら捨てちゃえば?』『3年C組は不倫してます。』などクセの強い役を次々に演じ、役者としての存在感を増している。
■おっとりした主人公の姉『仮面ライダー電王』野上愛理役・松本若菜
『仮面ライダー』シリーズでは若手男性俳優のブレイクが目立つ一方、『仮面ライダードライブ』詩島霧子役の内田理央さんのような女性俳優の活躍も見逃せない。現在大注目の女優・松本若菜さんもその一人だ。
松本さんは、2007年の『仮面ライダー電王』で女優デビュー。佐藤健さん演じる主人公・野上良太郎の姉・野上愛理(のがみあいり)を演じた。
天然系でマイペース、弟・良太郎を「良ちゃん」と呼んでお世話する姿も非常に美しく、そして、物語開始時から婚約者に関する記憶のみを喪失しているというちょっと不思議なキャラでもあった。しかし終盤では、記憶喪失の真相と隠された過酷な運命も明らかになり、本作のキーパーソンとして活躍することとなった。
本作で鮮烈なデビューを飾った松本さんだが、「その後はオーディションを受けても受けても落ちてばかり」という時期があったことを明かしている。現在の活躍に至るまで、長年焦燥や葛藤があったそうだが、しかし2022年のドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)の“松本劇場”と呼ばれるふっきれた演技で大ブレイク。そして『復讐の未亡人』(テレビ東京系)、『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)、さらに現在放送中の『わたしの宝物』(フジテレビ系)と、次々と主演に抜擢され、いまや人気女優としての地位を確立している。