放送65周年をむかえた、NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』。特別企画も放送され、先日は6月に脊髄梗塞で活動を一時休止していた佐藤弘道さんが出演し、視聴者を驚かせた。
かくいう筆者も、かつて“ひろみちお兄さん”をテレビで見ていた子どもの一人なのだが、「大きくなったテレビの前のお父さん、お母さんも!」と、ひろみちお兄さんが呼びかけてくれた時、思わずうるっとしてしまった。
今回は、時代を超えて愛され続ける人気番組『おかあさんといっしょ』が、令和の今、どんな変化を遂げているのかを振り返っていこう。
■『おかあさんといっしょ』令和の今どう変わっている?
『おかあさんといっしょ』は現在、お兄さん・お姉さんによる歌と、人形劇、曜日ごとに変わる生活習慣コーナー、お兄さん・お姉さんが別キャラに扮した小コーナー、そして体操のコーナーという構成になっている。
出演者は、歌のお兄さんとお姉さん、そして体操のお兄さんとお姉さんの4人がメインキャストで、人形劇は3名のキャラクターが登場し、歌や踊りで楽しませてくれる内容だ。
放送当初は歌のお姉さんが2名体制で交代しながら出演しており、1971年からは歌のお兄さんが登場した。その後、2名ずつのチーム交代制や3名のトリオスタイルも経て、現在の歌のお兄さん・お姉さんが1名ずつというスタイルに落ち着いた。
体操のコーナーについては体操のお兄さんのみの出演が長らく続き、1981年からは身体表現のお姉さんとして体操とは別にヨガや新体操、太極拳やバリ舞踊などさまざまなテーマをモチーフに、体を使った運動をおこなうコーナーが設けられていた。
しかし、さまざまな身体表現を使ったこのコーナーは、2019年に『パント!』のお姉さんである上原りささんの卒業をもって廃止され、その後は現在の体操のお姉さんである秋元杏月さんが「初代・体操のお姉さん」として、体操のお兄さん・佐久本和夢さんとともに体操コーナーを担当している。
■「体操コーナー」や「はみがきじょうずかな」も! 長寿コーナーはどうなった?
『おかあさんといっしょ』の人気コーナーといえば、やはり体操コーナーだろう。筆者もひろみちお兄さんと一緒に「あ・い・う〜!」とテレビの前でやっていた。そして今では、自分の子どもたちと「からだ ダンダンダン!」とやっているのだから、時代の流れを感じずにはいられない。
体操コーナーといえば、今まで立っておこなうスタイルで放送されてきた。しかし現在放送中の「からだ☆ダンダン」は「すわって からだ☆ダンダン」として、座っておこなうバージョンも作られている。
制作者によると「車いすなど体が不自由な子も、みんなと一緒にできるように」と、誰でも楽しむことができるような工夫が凝らされているとのことで、ユニバーサルデザイン化が進む現代ならではの発想だと言えるだろう。
また、同じく長寿コーナーで人気の「はみがきじょうずかな」。「仕上げはおかあさ〜ん」と、仕上げ磨きを母親がするシーンがおなじみだ。
実はそんな本コーナー、現在では仕上げ磨きで登場するのは母親だけでなく、父親や祖父、祖母まで登場している。敬老の日にちなんで「仕上げはおばあちゃん」バージョンが放送されたこともあり、時代にあわせて柔軟に変化を遂げているようだ。
ちなみに、このコーナーの人気曲「はみがきじょうずかな」は、現在人気アーティストのPerfumeが歌唱を担当している。そして、同じく長寿コーナーとして人気の「パジャマでおじゃま」のテーマ曲はLittle Glee Monsterが歌唱しており、ポップでおしゃれなアレンジがウキウキとさせてくれる。ぜひ視聴してみてほしい。