『SLAM DUNK』屈指の名試合! 山王工業戦の「MVP候補」を考えてみた「最多得点者は誰?」の画像
映画『THE FIRST SLAM DUNK』STANDARD EDITION [Blu-ray]

 1990年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、井上雄彦氏による伝説的バスケットボール漫画『SLAM DUNK』。

 本作において屈指の名試合であるのが、やはり湘北高校VS山王工業高校戦だろう。激闘の末、最終スコア79-78で湘北が勝利するが、この試合の最優秀選手“MVP”を決めるとするのであれば、いったい誰が相応しいのだろうか。ちなみに、現時点で公式でのMVPは発表されていないようだ。

 そこで今回は、スタッツと作中での印象的なプレイを元に、MVP候補となる選手を挙げていきたい。

■3Pで荒稼ぎ! 勝利チーム湘北の最多得点選手「三井寿」

 湘北の最終得点は79点だが、作中でポイントシーンが描かれているのは66点だ。そしてその内訳は、宮城リョータ2点、赤木剛憲12点、流川楓13点、桜木花道14点、三井寿25点となっている。

 得点者不明の13点を考慮に入れても、湘北で一番得点を稼いだのはシューティングガードの三井で間違いないだろう。よって、まずは三井がMVP第一候補としたい。

 この試合、三井は本当に神がかっていた。開始早々美しい3Pを決めると「今日の三井寿は いいぜ……山王よ」と、自身の調子の良さを確信。前半は一之倉聡のスッポンディフェンスを受けながらも得点を積み重ねていき、その影響で後半はスタミナ切れに苦しむも、それでも3Pを決め続けた。

 また、三井は最終盤で大仕事をやってのけている。試合終了まで1分、5点ビハインドのところで3Pラインでパスを受けた三井。フェイクを入れタイミングをずらし、シュートブロックに入った松本稔からプッシングファウルを受ける。

 放った3Pシュートは決まり、さらにバスケットカウントワンスローの合計4Pのビッグプレイとなった。このプレイで山王との点差は1点まで迫り、逆転勝利の布石となった。間違いなく山王工業戦MVP候補の筆頭は三井だろう。

■得点とリバウンドでダブル・ダブル達成! 「桜木花道」

 三井に次ぐMVP候補は、桜木だろう。桜木は、この試合で得点14、リバウンド10の「ダブルダブル(1試合で1人の選手が、得点・リバウンド・アシスト・スティール・ブロックショットのうち、いずれか2つで2桁を記録すること)」を見事達成し、湘北の勝利に大きく貢献している。

 とくに、この試合はオフェンスリバウンドでの功績が大きい。三井があれだけためらいなく3Pを打てたのも、外しても桜木がリバウンドでマイボールにしてくれるという安心感があったからこそだ。自身の得点にはなっていなくとも、湘北への貢献がすごい。

 しかも桜木が相手にしたのも並大抵の選手ではなかった。2m10cm、体重130kgの今大会最大の男・河田美紀男や、リバウンド力を買われて山王のスタメンになった野辺将広、そして、高校最高峰のセンター・河田雅史とすさまじい面子だ。山王・堂本監督も桜木によってかなりプランをかき乱されたことだろう。

 その後、ルーズボールにダイブしケガを負って交代となってしまうが、痛みを押して試合に戻り、変わらぬ働きをしたのも見事だった。

 そして忘れてはいけないのが、勝敗を決める最終ポイントも桜木のシュートであったこと。残り1秒で流川からのパスを受け、ブザービーターで決めた逆転のジャンプシュートも印象深いものだった。

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