■膨大なシリーズから“あの作品”がまさかの実写化!? 『ゲッターロボ』

 最後を飾るのは、永井豪先生と石川賢先生が1974年に誕生させ、アニメや漫画などマルチに展開された人気作『ゲッターロボ』だ。地上征服を企む敵に対抗するため、3人の高校生が3機のメカ「ゲットマシン」に乗り込んで戦う。「空・海・陸」の3パターンに変形・合体するゲッターは、当時の子どもを夢中にさせた。

 そんな『ゲッターロボ』の生誕50周年を記念して、初の“実写”映画が2025年春に公開予定だと発表されたが、ファンの間では「“こっち”を実写化して大丈夫?」という驚きの声があがった。

 先述した通り、本作は「テレビアニメ」と「漫画連載」が同時期にスタートした、いわゆるメディアミックス企画だ。その後も「ゲッターロボシリーズ」として、さまざまな関連作品が生まれている。

 そしてテレビやOVAなどで展開された「アニメシリーズ」、石川賢先生が描いた「漫画シリーズ」に分けられる。

 設定や内容などは微妙に異なるが、もっとも大きな違いが石川賢版の「過激なバイオレンス描写」である。筆者は子どもの頃に親戚のお兄ちゃんから借りて読んだが、アニメ版の熱い友情や正義とは真逆の描写も多く、正直怖いと感じる部分もあった。

 そして、今回発表された実写映画は、この石川賢先生の漫画版を現代的にアレンジした『ゲッターロボ』を目指すという。

 さらに、同作の「パイロット映像」製作の資金調達を目的としたクラウドファンディングが行われ、1週間限定という短期間で目標額をはるかに上回る356%を達成。映画化が決まりながら、パイロット映像製作のためにクラファンが行われたのはかなり珍しいが、さすがの人気ぶりといえるだろう。

 ある意味、石川賢先生版『ゲッターロボ』実写化に対する期待を証明したともいえそうだ。

 幼い頃、ロボットアニメに夢中になった世代からすると、リメイクやリブートなど、さまざまな方法で復活した彼らの雄姿を見るたびにワクワクさせられる。どのようなかたちになるにせよ、昭和のロボットアニメが令和に復活するからには注目していきたい。

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