『魔女の宅急便』おソノに『天空の城ラピュタ』おかみさん、『崖の上のポニョ』リサも…三者三様! スタジオジブリ作品に登場する「憧れのママ」の画像
(C) 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 老若男女に愛されるスタジオジブリの作品たち。どんな世代にも刺さり、心に残る名作が目白押しのジブリ作品には、魅力的なキャラクターたちも多く登場する。

 メインキャラクターでなくとも、思わず憧れてしまうようなキャラが登場するのもジブリ作品の見どころの1つだろう。そこで今回は、ジブリ作品に登場するキャラのなかから、“憧れのママ”たちをご紹介しよう。

■困っている人をほっとけない人情味『魔女の宅急便』おソノ

 13歳の主人公・キキが魔女見習いとして、見知らぬ町で奮闘する『魔女の宅急便』。

 一人前の魔女になるため、相棒の黒猫・ジジとともに海沿いの町・コリコに住むことを決めたキキだが、魔女を見慣れないコリコの人たちはキキとジジを見て驚くばかりだった。

 生まれ育った町との違いから落ち込んでしまうキキ。そんな彼女に手を差し伸べたのが、パン屋のおかみ・おソノだった。このとき出産を控えていたおソノは、キキに店の手伝いをしてもらうかわりに空き部屋に居候しないかと持ちかけてくれる。

 見知らぬ町で心細かったキキにとって、おソノの存在は大きかった。彼女のおおらかで豪快な性格は、些細なことで思い悩んでしまうキキにとって大きな影響を与えたことだろう。

 体調を崩したキキにおソノがミルク粥を作ってくれるシーンは、一人暮らし経験者としてグッとくるものがある。体調不良のときほど、このような優しさは体と心に染み入るものだ。

 実は、本作のパンフレットにおいて「青春時代にはそれなりにツッパった経験を持つ」と意外な過去が明かされていたおソノ。彼女のサバサバとした一面はそんな過去からきているのかもしれない……?

 ファンの間でもおソノの飾らない人柄は、“憧れの女性”として挙げられることも多い。まさに、“こんなママになりたい”と思わせてくれるキャラクターではないだろうか。

 なお、本作のエンディングロールでは、おソノと夫、そして赤ちゃんの家族3人で幸せそうにしている姿が描かれている。きっと明るく豪快で素敵なママになっていることだろう。

■海賊にも負けない肝っ玉母ちゃん! 『天空の城ラピュタ』おかみさん

 飛行石をめぐる冒険を描いた『天空の城ラピュタ』にも、憧れのママが登場する。

 空中海賊・ドーラ一家に狙われ、追われる身となったシータ。シータを偶然にも保護したパズーは彼女をドーラ一家から守るため、仕事でお世話になっている親方・ダッフィーのもとへ駆け込む。

 そのとき、パズーとシータを匿ってくれたのが、ダッフィーの妻であるおかみさんだった。おかみさんはいきなり駆け込んできた2人をすぐに家へ入れ、自分はフライパンを手にドーラ一家に立ち向かうという肝が据わった女性だ。鉱夫として過酷な仕事をする夫を支え、ときには尻に敷いているような様子も見てとれる。

 印象的だったのが、ダッフィーがドーラ一家とのケンカでシャツをビリビリに破いてしまうシーン。ここで「誰がそのシャツを縫うんだい?」と、ひと言でピシャリとたしなめてしまう姿はまさに“肝っ玉母ちゃん”そのものだ。

 たくましく荒々しい男たちを支える妻もまた、勇ましく強い女性が多いのかもしれない。そして、そんな強い女性たちに囲まれて育ったからこそ、パズーは優しくて強い子なのだろう。

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