ヘアスタイルは、女性の個性を印象付ける大切な要素だ。中にはロングからベリーショートなどにバッサリとヘアスタイルを変え、新たな魅力を開花させる人もいるだろう。
一方、女優の場合は役柄に合わせてヘアスタイルを変え、視聴者を驚かせることもしばしば。特にインパクトが強いのが、スキンヘッドではないだろうか。
たとえ特殊メイクであろうと、女性にとってのスキンヘッドはなかなか勇気がいるもの。最近では、Net flix国内ランキング1位を獲得したドラマ『地面師たち』で、小池栄子さんが尼に成りすますために頭を丸めるシーンが描かれ話題を集めた。今回は、「実写化作品」に絞り、作中でスキンヘッド姿を披露した女優たちを見ていこう。
■髪型が変わっても可愛すぎる!『ブラックナイトパレード』の橋本環奈さん
中村光さんの同名漫画の実写化映画『ブラックナイトパレード』(2022年)では、橋本環奈さんが初のスキンヘッドに挑んだ。同作は、冴えない若者がひょんなことから「ブラックサンタ」として働くことになるファンタジーコメディ。
橋本さんが演じたのは、ブラックサンタの一員・北条志乃だ。本作で橋本さんは、原作同様ピンクのツインテールとスキンヘッドの2つのヘアスタイルを披露。ツインテール姿が可愛いのはもちろんだが、スキンヘッド姿でも可愛さは変わらず、むしろ髪がないぶん、洗練された顔のパーツが強調され、美しさが際立っていた。
一見剃っているかのように見えるが、実はカツラ。仕込みは中々大変だったようで、橋本さんは「2時間かけて髪をベタベタに固めて小さく詰めた」と秘話を明かしていた。ちなみに原作者の中村さんは、橋本さんのスキンヘッド姿に「世界一美しいお地蔵様かと思った」とコメントを寄せている。
■コミカルな演技も話題になった『珍遊記』の倉科カナさん
2016年には、強烈なギャグ漫画である漫☆画太郎さんの『珍遊記-太郎とゆかいな仲間たち-』の実写化映画『珍遊記』が公開されている。同作は『西遊記』をベースにしたギャグコメディで、荒くれ者の山田太郎と、彼を引き取った僧侶・玄じょうが天竺を目指す物語。お下劣かつキレキレのギャグとパロディが散りばめられた革新的な漫画である。
独特な世界観をそのまま投影した映画版では、玄奘役を倉科カナさんが務めている。原作の玄じょうは奇抜な顔をしているのでキュートな倉科さんとは似ても似つかないが、4時間を要したというスキンヘッド姿は見事という言葉に尽きる。
さらにドギツイ下ネタまで連発し、新境地を開いた倉科さん。2020年には突如インスタグラムで「突然ですが、髪を切りましたー #ウソ#思い出#珍游紀」とスキンヘッド姿を投稿してファンを驚かせ、「面白いと思ったらなんでもやってしまう。そうやってこれからも色んな事に挑戦していきたい」と幅広い役柄への意欲を綴っていた。
■女優魂炸裂!本当に髪を剃った『世界の中心で、愛をさけぶ』長澤まさみさん&綾瀬はるかさん
特殊メイクによるスキンヘッドが多い中、実際に髪を剃った女優もいる。それが片山恭一さんの同名小説を実写化した『世界の中心で、愛をさけぶ』に出演した長澤まさみさんと綾瀬はるかさんだ。
二人の役柄は広瀬亜紀(ドラマ版は廣瀬亜紀)で、先に演じたのは2004年5月公開の劇場版での長澤さんだった。当時の長澤さんは16歳で、キャリアを積み始めたばかり。若さや今後の作品のことを考えるとスキンヘッドはかなりの覚悟が必要だっただろう。
しかし長澤さんは自ら志願して髪を剃り、全力で亜紀になり切った。体当たりの演技は高く評価され、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を最年少受賞するなど快挙を成し遂げた。
そして、同年7月には綾瀬さんが出演するドラマ版がスタート。19歳だった当時の綾瀬さんは、見事オーディションで廣瀬亜紀役を射止める。
出演が決まり役作りに没頭した綾瀬さんは、女優人生の終わりでもいいと引退も覚悟の上で、病で痩せ細る亜紀を表現するために大幅な減量に挑み、頭も丸めて役柄に向き合った。10代という若さで女の命とも言える髪を剃って役に入り込むとは、彼女たちの女優魂は本当に素晴らしい。