■アニメなのに特撮っぽい戦闘がユニーク!

 アニメで作られた『ウルトラマン』である利点も多数見受けられます。大規模な基地や、宇宙空間での艦隊戦、ダイナミックなアクションシーンなど、当時の特撮作品ではどうしても難しい描写が、ふんだんに盛り込まれました。

 とはいえ、ジョーニアスの動きなどは特撮作品を意識しているのがうかがえます。戦闘シーンでは、ダイナミックな動きを見せつつもスピード感は抑えめで、アニメで特撮のアクションを再現しているようにも感じられました。

 また『ザ☆ウルトラマン』は、初代『ウルトラマン』との共通点が目立ちます。科学警備隊の隊長を「キャップ」と呼び、トベ博明隊員の声優を務めた二瓶正也氏は、『ウルトラマン』のイデ隊員役として知られています。また、怪獣ピグモンに似た分析ロボット「ピグ」も登場しました。

 筆者は『ザ☆ウルトラマン』のリアルタイム世代ですが、当時はテレビ録画環境もなく、見返すまでは正直ストーリーなどはうろ覚えでした。なにせ、いちばん記憶に残っていたのは「ザ☆ウルトラマンソーセージ」のCMソングの締めの部分だったくらいですから……。

 そんな筆者のような世代や、それ以降の『ウルトラマン』ファンにとって、今回のHDリマスター版のテレビ放送は見直す絶好のチャンスです。そして特撮ではなくアニメ作品だったことで敬遠していたという人も、この機会に『ザ☆ウルトラマン』に触れてみてはいかがでしょうか。

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