■コミカルながら正義感溢れる姿は1号そのもの『ヤッターマン』櫻井翔
タツノコプロを代表するタイムボカンシリーズ『ヤッターマン』(1977年放送)。その実写化、2009年公開の『ヤッターマン』で、主人公の高田ガン/ヤッターマン1号を演じたのが、嵐の櫻井翔さんだ。
白のつなぎに身を包み、ケンダマジックを武器に戦う櫻井さんの戦闘シーンは、コミカルながらしっかりとしたアクションとなっている。その姿は、オリジナルであるアニメのヤッターマンそのものだった。
さらに本作では、櫻井さん演じるヤッターマン1号と深田恭子さん演じるドロンジョとの恋愛展開も見どころの1つだ。瓦礫の下敷きになりそうになったドロンジョを助けた1号は、その際、誤ってキスをしてしまう。直後、ドロンジョがヤッターマン1号に恋心を抱いてしまい、福田沙紀さん演じる上成愛/ヤッターマン2号もそのことに思い悩んでしまう展開に……。
終盤のバトルでは、嫉妬に燃えるドロンジョが2号に電撃攻撃、それを身を挺して守る1号。その直後の「ヤッターマンは2人で1人!」というヤッターマン1号・ガンの言葉に、彼の本心を知ることができたヤッターマン2号・愛だった。
これらのシーンは、櫻井さんの明るくがむしゃらな演技によって、本作の正義感に溢れるヤッターマン1号を象徴するものとなっている。オリジナルのヤッターマンファンにもぜひ見てほしい。
今回はタツノコヒーローをかっこよく演じた俳優たちの名シーンを紹介してきた。すでに多くのファンを持つタツノコアニメ、その主人公を演じるというプレッシャーは相当なものだったに違いない。
しかしいずれも、俳優本人の熱い演技と素晴らしい撮影技術によって、ヒーローたちを実写作品のなかで見事に復活させていた。当時、作品に対しては賛否両論あったのは事実だが、タツノコヒーローの新たな可能性を開くものだったように筆者は思う。